2013年年頭所感あれこれその2ーローカルの時代
2013年年頭所感の続きです。
正直、昨年前半には、東急プラザ表参道原宿、ダイバーシティー東京、渋谷ヒカリエ、ソラマチなどの都心SCのオープンが相次ぎ、非常に多くの来街者を集めて明るい雰囲気が蔓延していましたが、
年央、すなわち、夏のバーゲン以降、9月に尖閣諸島問題が発生した頃から、
ファッション業界内には、特に大手から中堅の企業さんを中心に、「もう一度国内でしっかり売って行く体制を整えなければ」といった空気感が広がっているということを仄聞していました。
秋には大丸東京店、阪急百貨店梅田本店のリニューアルが完成、伊勢丹新宿本店の改装も進行中で、百貨店業界の大型改装が相次いでいますが、
全体としては、拡大よりも再構築、といったムードが強かったように思います。
2013年も、基本的に昨年後半のムードが継続すると思っています。年初に発行された一般紙、業界紙や、ネットニュース等を見ても、目新しい話題は少ないなと思いました。
{日経MJさんが元旦号でクリス・アンダーソンの「MAKERS-21世紀の産業革命が始まる」を取り上げておられたのは、ズバリ私の予想通りだったんですが、実は昨年後半、web関連のお仕事をなさっておられる方々からちょくちょく「来年は墨田の時代ですよね〜来てますよね〜」と言われていて、ちょっと食傷気味なところもありました。}
そんな中、鋭いポイントを突いておられるな、と思ったコメントが2つだけあって、
1つは、Fashionsnap.com さんの年末の記事「みんなのつぶやきで総括」の中で取り上げられていた、繊研新聞さんの記者・五十君花実氏の、「都心型商業施設の開業ラッシュを尻目に、人々の心はよりローカルな方へと向かっていくのではと予測」というコメントです。
これは、ものすごく当たっているんじゃないかと思いますね。
岡山にこのお正月帰省した時も感じましたし、東京にいて墨田や台東などの東トーキョーエリアにいても、また、東京の西の方で若い方々が主催されるイベントに参加した時にも感じていたんですが、
最近、30代、20代の面白い人達が、ものすごく増えているな、と思います。
必ずしもそういう方々が「ファッション」という軸で動いておられるんじゃなくて、
年末にも書かせて頂いたように、むしろ「食」とか、「生活」から派生した動きの方がメインストリームだと思いますが、
自分からどんどんコトを起こすようになっていて、そして、そういう人達がどんどんどんどんつながっていっている。
これは、本当に、ワクワクすることです!特別に飛び抜けたカリスマ的な人だけでなく、沢山のリーダー、プレイヤーが生まれてきています。
こんな時代になったのは、ある意味では、世の中が昔のような右肩上がりではなくなってしまったということと、あと、インターネットの存在というのが非常に大きいと思うのですが、
これまでは難しかった、仲間やお客様集めが、ネットの力でローコストで行えるようになったので、
アイデアをどんどん形に出来るようになったんですよね。
そして、ノウハウもネット上の書き込みを読む、あるいはネットで知り合った方とのつながりで、速いスピードで得ることが出来るようになりました。
私が尊敬する、久米繊維工業株式会社の代表取締役会長・久米信行氏が昨年あるパネルディスカッションで「街おこしは究極の大人の遊び」だとおっしゃっておられましたが、
おっしゃられる通りだと思います。単純な消費より、創造と行動による自己実現の充実感の方が強いでしょう。逆に、こういう時代に物を売ろうと思うならば、単純な消費ではなく、背景にストーリーと共創を感じさせる仕掛けが必要だと思います。
地元で街おこし、社会貢献、地域の特性を生かしたものづくりやショッププロデュース、観光ビジネス等々を、という流れは、2013年、益々加速するのではないでしょうか。
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