stores.jp対BASE、決済サービスPAY.JPの開始等でBASEの追い上げなるか?
今年2月に、社長インタビューで開発が公言されていた、
無料でECサイトが簡単に作成、運営できるサービスBASEによる決済サービスPAY.JPが、
この9月についにリリースされました。
ちょうど1年ほど前に、私が勤めている会社ので、BASEの方に来て頂いてセミナーをやって頂いたことがあって、
その時に受講者の方から、「マネタイズはどうされるんですか?」とのご質問が出て、
講師の方から「今のところマネタイズよりはBASEでECショップを作って下さる方をどんどん増やすことに注力しています」とのご回答があったのを記憶していますが、
私自身も、BASEに対しては同様の印象を抱いていました。
鶴岡裕太社長は、メディアに対しては、「BASEを立ち上げた当初から、決済サービスへの参入を考えていた」といつもコメントなさっておられるようで、
まずはユーザー数をしっかり確保しておいて決済サービスでマネタイズを、という戦略を持ち、タイミングが来るのを辛抱強く待っておられたのではないかと思います。
もう1つ、無料ホームページ開設サービスAmeba OwndとBASEの連携も発表されました。こちらも、利用にはBASEでの会員登録が必要で、BASEにとっては大きな
追い風になると思います。
BASEに関して言うと、ライバルのstores.jpとは、ある時期まではほぼ同様のペースで店舗数を増やしている印象がありましたが、
2014年9月にstores.jpがフォロー機能を公開した頃くらいから、一気に差が拡大した感があります。
「無料で簡単にECサイトが作成、運営できるサービスはWeb上からの集客に難がある」というユーザーの声に対し、stores.jpは次々と手を打っていったこと、
それと、有料サービスも導入し、中規模〜大規模サイトも出店できるようにしたことが、功を奏しているようで、
現状、stores.jpのサイトには「300,000店」の文字が踊っています。一番よく売るショップは年商2億円弱という発表も、以前ございました。
それに対し、BASEの方は、インタビュー等で最近出ている数字が15万店なので、ダブルスコアまで差が開いてしまったのかもしれません。
販売手数料に関しては、stores.jp5%に対して、BASE3.6%+40円で、BASEの方がかなり安いんですが、
戦略の違いが今後どういう結果をもたらすか、注視したいと思います。
もう1つ、私が注目しているのは、クリーマ、イイチ、ミンネなどのハンドメイドC2Cサイト同様、BASEは出店者を集めてリアルイベントやPOP UP SHOPを実施したり常設の拠点を開設したりしていますが、
最近stores.jpにはそういった動きは見られません(2013年6月に一度だけヒカリエで実施されたようですが)。
「あくまでもECのプラットフォームに徹する」という同社の方針は、そこそこ人気のあるファッションブランドや、中規模〜大規模サイトまで含み、
「手作り」「メイカーズ系」などのニッチな個人、小規模事業者にはターゲットを限定しないことの現れだと私は見ていますが、
今後、他社とは切り口の異なるリアルの仕掛けが出て来るかどうか、その点にも注目したいですね。
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