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金曜日(昨日)の夜、午後7時頃に新宿3丁目入りし、
伊勢丹新宿店さんで、この9月に本館2Fから地下2Fに移動しリニューアルオープンしたばかりの
「ビューティーアポセカリー(BEAUTY APOTHECARY)」を見て参りました。
いつも書いておりますが、私はコスメにはほとんどお金をかけない人で、
商品知識が豊富な方ではないので、
正直、ブログでコスメについて論じる力があるとは思っておりません。
元々2Fにあった「ビューティーアポセカリー」の売り場にも、2008年にオープンしたての頃に一度行ったきりで、
伊勢丹さん自体にはリサーチにもお買い物にもかなり頻繁に出かけておりますが、時間がないこともあっていつもスルーしておりました。
今回も、一番興味があったのは、品揃え自体よりも、
「一体どういうお客様が、この売り場でお買い物をなさっておられるのか」ということでした。
そして、金曜日に見た限りにおいては、お客様は上層階にいらしておられる方々と、ほとんど大差ないように思われました。
まず、皆さん、メーキャップはばっちりなさっておられます。ファンデーションを白く塗り、眉を整え、つけまつげやアイラッシュでアイメイクばっちり、口紅も綺麗に塗った方々ばかりで、
ファンデーションを塗っているのかいないのかわからないようなナチュラルメイクの方は20人に1人程度か、といったところでした。
また、ファッション傾向も、想像以上にモード色が強く、大人可愛い系、通勤着スタイル等、ばっちり決まっておられました。
今のところ、お客様は、伊勢丹さんに普段から通っておられる方々で、今のところこの売り場だけを目当てに来店してこられるような方はあまりいらっしゃらないのかな、全体的に可処分所得が高そうな印象を受けました。
年齢的には、20代から上は60代、70代までいらっしゃるように思いましたが、ここだけが想像と違っていて、中心年齢は20代から40歳前後、売り場に行った時間帯のせいもあるとは思いますが、思ったよりも若い印象を受けました。
ナチュラル系コスメ、自然派コスメを愛用する層は、決して特別な方々ではない、このジャンルは、既にコスメのカテゴリの中で大きな一つの塊に育っている・・・それを痛感した次第です。
次に、この売り場に置かれていた商品についてですが、
「FACE」「BODY」「INNER CARE」「HEALING」「MEAL at HOME」「CAFE & DELI」「CARE SALON」「BOOK」の8つのカテゴリー分類になっていますが、
メインを占めているのは、「BODY」と「FACE」のコーナーにおかれているコスメ関連のブランドです。
特に、シャンプーとコンディショナーの品番数の多さが目につきます。自然派コスメの中心商品が、髪に関するものであることが、非常によくわかります。
ブランドについてですが、「ジョンマスターオーガニック」とか、「ジュリーク」「デクレオール」「ハウシュカ」「ガミラシークレット」など、
コスメに疎い私でも知っているようなブランドもありますが、
大半が、まだ国内でそんなに知名度がないと思われるものばかりです。
自然派コスメといえば、駅ビルでよく見かける「ロクシタン」や「マークスアンドウェブ」、
「ファンケル」や「DHC」などを筆頭とする(日本では本来この層のプレイヤーが市場を切り開いてきた功労者だと私は思っておりますが)通販系コスメ、
そして、最近は日本への進出事例も増えている韓流コスメ、
この辺からもピックアップされるものがあっても良いのではないかという気もいたしますが、
「ここでしか買えない」というところが伊勢丹さんのこだわりなのか、
この辺のブランドはセレクトされていませんでした。
自然派コスメの場合、東洋医学、東洋思想、東洋の文化や生活習慣にインスパイアされて作られたものも多いと思いますが、
伊勢丹さんの場合、「アメリカやヨーロッパのフィルターを通してブランディングされた」=オシャレになっていることにもこだわりがあるのでしょうか。
もう1点、正直なところ、お安いものはこの売り場には置かれていません。
試しに、持ち帰った売り場案内「PASSPORT mini」に掲載されていた商品72点の平均価格を計算したところ、
約6,010円 でした。
この価格は、ポイントさんやクロスカンパニーなどのSPAブランドのお洋服1点の価格より高いです。
1人が2点買えば12,000円、大勢のショップスタッフさんがいても、十分成り立つような試算の元に仕入れされているのだろうと推察出来ます。
1Fの有名ブランドに比べ、自然派コスメはスイッチングが多い状況にあるのではないかと思いますが、
この売り場自体が、いわば「自然派コスメのセレクトショップ」になっていて、
あれこれ試してみたい(頻繁にスイッチングする)お客様を
売り場全体としてリピーターにしてしまえば、問題はない訳です。
ショップスタッフさんもよく訓練された方が多くて、
ゆっくり見たいそぶりでいる時に空気が読めないような方はおられないようでしたし、
逆に、疑問点を訪ねると、非常に丁寧にわかりやすく答えて下さります。
私の意地悪な質問に対しても、絶妙な返答を返して下さりました。
この日は閉店までに時間がなかったので、
本当は行きたかった「HATAKE CAFE」に寄る時間もなく、残念だったんですが、
売り場の空気感を味わいながら感じたのは、
これだけシャンプーやコンディショナー、石鹸などが揃っているんだったら、
出来ればこの売り場にボディケアやヘッドケアの施術をしてくれる「SPA」だけでなくて、
お風呂と、お風呂に入った後そのまま寝られる寝室が欲しいな、ということ。
高級ホテルさんと組んで、商品提案と宿泊のメニューを一緒にしたプランを売り出すとか、
あるいは、旅行会社さんと組むと、いろいろ面白い企画が考えられるような気がします。
この売り場には、書籍も置かれていたりして本当に象徴的だと思ったんですが、
「頭」というテーマがひとつクローズアップされていて、
頭の疲れを取る、髪を綺麗にする、思考をシンプルにクリーンにする・・・というのが、
時代のトレンドなんでしょうね。
本当に忙しくてものすごく疲れている人は売り場に足を運ぶ時間もないと思うので、
おすすめの商品、よく売れている商品はオンラインショップでもしっかりご紹介頂きたいなと思います。
(下の写真は、私が「ビューティーアポセカリー」で買ったもの。ネパールとバングラデシュの製品を扱っておられるブランド「シーピュータン」のボディーソープ1,000円。薔薇の自然な香りにひかれて思わず買い物かごに入れてしまった「キャロルプリースト」のフローリストソープ(ローズ)1,560円。舌のこけを取る便利グッズ450円。価格は全て税抜きです)。
昨日8月6日(月)付けの日経MJさんを見て、改めてこのブランドさんのジャパン社さんの経営手腕は凄いなと思ったんですが、
人気コスメブランド「ロクシタン」を日本で販売しているロクシタンジャポンの子会社、クヴォン・デ・ミニムジャポンさんが、
今秋から日本で、「ロクシタン」の妹ブランド(ディフュージョンブランドとかセカンドブランドという呼び方の方が、ファッション業界では通りがよいかもしれませんが)「クヴォン・デ・ミニム」の展開を開始、
1号店は、(どの媒体にも店名が記されていないんですが)「大阪の百貨店」にオープンの予定だそうです。
これはインパクトがあるなと思ったのが、価格設定。
私はコスメの専門家ではございませんので、プロが書かれた記事を2本ご紹介させて頂きますが↓↓↓
◆クヴォン・デ・ミニム 日本初上陸に伴いプレス発表会を開催ー国際商業出版
◆フランス・修道院生まれのナチュラルスキンケア「クヴォン・デ・ミニム」が日本初上陸!ー@cosme、@BEAUTIST編集部さんの美ログ
私もごくごくたまにですが、「ロクシタン」を買ったり頂いたりすることがございますが、
正直、「クヴォン・デ・ミニム」は、「かなり安いな」という印象を受けます。
日経MJさんの記事には、「セルフ化粧品市場は一般的に中価格帯(2000〜5000円)以下が主力。クヴォン・デ・ミニムの価格は735〜3,675円でロクシタンと比べて平均30〜40%安く、買いやすい価格設定にした」とあります。
よく、衣料品のプライベートブランド(PB)の値付けの際にも、「ナショナルブランド(NB)の3割安にすると、お客様が安さを実感して購入率が上がる」と言われたりいたしますが、
この価格なら、多くの方が「安い!」と感じて飛びついてくるのではないかと思います。
そして、日経MJさんに出ていた、デジタルサイネージの活用の件にも、
ロクシタンジャポンさんはもともとブランドのストーリーをうまくアピールするプロモーションの上手い企業さんですから、
大いに注目したいのですが、
もう1つ、@BEAUTIST編集部さんの美ログに書いてあった、
「約100種類のカードが用意されていてプレゼントに添えることが出来る」ということにも、
アイデアは他でもちょくちょく見られるのですが、「100種類」という種類の多さ、その本気度に圧倒されますよね。
どんなカードなのか、商品と合わせて、早く見てみたいなと思います。
私の想像では、1号店はたぶん阪急百貨店梅田本店へのご出店なのではないかと思いますが、
メインの出店先は準郊外〜郊外のショッピングセンター、
そして、顧客ターゲットは、今までロクシタンに憧れ感はあっても買えなかった層や、そもそもロクシタンの存在そのものを知らず、似たような香りの良い商品をドラッグストアで買っていた層(私もそのクチですが・・・笑)、
中高生、ヤンママ〜若い主婦層、そして、家族に連れられてSCにやってきた50代後半〜60代の若いおばあちゃん層まで、
「子供と超高齢者以外の女性は、全部狙って行く」くらいの勢いで、攻めていかれるのではないかと予想しています。
コスメって、確かに百貨店さんで売っているような高級化粧品のゾーンの売上高も高いんですが、
特定の方のリピートで成り立っている市場で、
買い上げ客数が圧倒的に多いのは、セルフ化粧品の方ですから、
三角形の上の方で成功してイメージを形成してから、ボリュームゾーンへ降りていくという戦略は、正しいのではないかと私は思います。
さっき、ネットサーフィンしていて、
年末のバタバタしている時期だったので書こうと思いながらすっかり忘れてしまっていたニュースのことを思い出しました。
大手アパレルのワールドさんが、外資系化粧品ブランド「クリニーク」を、
2012年春から、ショッピングセンターや駅ビルに出店しているファッションライフスタイルストアで取扱い始めるというニュースです。
ワールドさんのコーポレートサイトに、ニュースリリースが掲載されておりますので、ご覧下さい↓↓↓
◆プレステージ化粧品ブランド「クリニーク」の取り扱いを開始ーワールド ニュースリリース ブランドニュース
何故、このニュースが私の心に刺さったかというと、
1号店が、私の故郷である岡山県の
「イオンモール倉敷」の中にある「オペークドットクリップ」になっていたからです。
展開開始日は1月27日(金)になっておりますので、お近くの方は行かれるとすでに売り場で商品を買うことが出来るようになっているはずです。
岡山では、地元百貨店の天満屋さんが、
「クリニーク」の商品力に早くから注目され、
非常に熱心に拡販してこられたという歴史があって、
固定客も沢山持っておられるエリアであるだけに、
「クリニーク」が郊外型ショッピングセンター(SC)の中にオープンしたというニュースを見て、
万感の思いが込み上げました。
しかし、現実の問題として、
現在岡山県内で最も集客力が高く、かつては百貨店のお客様だった高額所得者もしっかり取り込み、
なおかつ、年齢が下がれば下がる程、「行きたい大型店=イオンモール」になっている現実を考えると、
「クリニーク」さん側から見ると、
販売チャネルを広げたい、という思いは強かったはずです。
でも、百貨店さんへの義理もある・・・。
そういう現状を鑑みたとき、
どちらが先にオファーされたのかわかりませんが、
ワールドさん経由で販路を広げるということが、
「クリニーク」さんにとっては、ワンクッション置きながら今の時代に合った好立地に進出できるという、
極めてメリットの大きい取引になると思えたのではないでしょうか。
ワールドさん側も、現在ヘルスアンドビューティー分野の拡大に注力したいという方針であるということが報道されておりますし、
「クリニーク」の売り上げがオンされるメリットもあると思いますが、
しばりの強い化粧品業界に身を置く「クリニーク」さんの感じておられるメリットの方が
より大きいんじゃないかなという風に私は思っております。
それにしても、今春は三越伊勢丹さんによるラグジュアリーコスメ編集ショップの1号店がルミネ新宿店さんにもオープンいたしますし、
化粧品の流通がいよいよ大きく変わる年になりそうですね。
コスメに関しては、恥ずかしながらお金も全くかけていないし、
仕事的にも全くしろうとなんですが、
何回か続けて書かせて頂いた「ジョンマスターオーガニック」がらみの話題が
思っていた以上に読者の皆様に喜んで頂けたみたいなので、
コスメフリークの方々から見ると、笑止千万、今更〜な感じもあるネタを
自分への覚え書きを兼ねて、ちょこっと書いておきます。
今週号(1月16日号)のWWDジャパンさんに、
何故かコスメに関するページが何ページか挟み込まれておりました。
その中に、2011年の化粧品業界のニュースが時系列的にズラズラっと列挙されていたのですが、
韓国コスメの日本上陸に関するニュースが2件含まれておりました。
(注:韓国コスメそのもののニュースとしては、韓国の超高級ゾーンの化粧品「アモーレパシフィック」さんのニュースも挙がっていましたが、日本でのショップ展開は2006年からですので、この2件の中には入っておりません。
「アモーレパシフィック」さんは、さしずめアイドルでいうと、BOAさんのような存在で、韓国コスメブームの先駆者ですね)。
1件は、昨年5月に、イオンさんが「ザ・フェイスショップ」さんの総代理店さんになったというニュースです。
「ザ・フェイスショップ」さんは、私の認識ではシートマスクが人気のブランドさんで、私の自宅にも実は同社のいろいろなタイプのシートマスクが山積みになっているんですが、
恥ずかしながらこの記事を読むまで、イオンさんの件は知りませんでした。
もう1件は、こちらは知っておりましたが、今年11月の、ルミネエスト新宿さんへの「エチュードハウス」さんのご出店です。
「エチュードハウス」さんは、たぶん可愛らしい雰囲気がウリでいらっしゃるのかなと思っておりましたので、ルミネエストさんの客層にはぴったりだなと思っておりました。
芸能界の状況に例えれば、さしずめ、イオンさんやルミネさんが、少女時代やKARAをデビューさせた、とでも表現出来るのではないかと思いますが、
さすがに日本の小売業をリードする企業さん達、時代性をきっちり捉えた、いい動きをなさっておられますね。
「ジョンマスターオーガニック」のことが気になって、
いろいろ調べているうちに、
ゼロ年代の、特に後半に入ってからの
コスメの業界の変動が、
ファッション業界にも似ていることに気づきました。
いわゆる「自然派コスメ」同様、
自然=ナチュラルを謳ったファッションは、
それこそ、ゼロ年代後半の
F1層向けファッションのメインストリームだった、
「ナチュラル系」「ナチュカジ」ブームの「ナチュラル」と
言葉としてはまったく同じではありませんか!
この2つのナチュラルブームの根底には、
等身大の生き方、内面の美しさを重視する女性達の意識の変化が
同じように流れていることに相違ないように思います。
但し、ファッションの「ナチュカジ」の方が、
元々『ナチュリラ』『リンネル』に登場していたような、麻などの天然繊維をメインにしたブランド
(「アーツサンドサイエンス」「スースースー」「ネストローブ」「エヴァムエヴァ」など)、
これらを個人的には「真性ナチュカジ」と呼称したいのですが、
これらのブランドよりも、
この流れを取り込んで、元々は異なるテイストからスタートしていたにも関わらず「ナチュカジ」にシフトしよりブランドの客層の幅を広げ巨大ブランドに成長した低価格カジュアルブランド群
(その2大代表格は、
昔のDCブランドっぽいゆるデコファッションからナチュカジに転身した「ローリーズファーム」と
昔のシンプルでディテールがあまりないアメカジ系レディスからナチュカジに転身した「アースミュージックアンドエコロジー」
・・・ですが)
「ナチュカジ」が、マスにまで浸透しきったというのが、
コスメの業界とは異なるファッション業界の状況だろうと思います。
(私は「真性ナチュカジ」と、この要素を後から取り込んだ「大手のナチュカジ」を別物として区別して考えております。「大手のナチュカジ」については、私は以前は「地味系カジュアル」と命名していましたが、ゼロ年代の後半からはヤングのとんがったファッションがどんどん小さな市場になり、地味系がマスでありながら時代を牽引するようになっておりますので、世間の一般的な呼称に合わせて「等身大カジュアル」と呼ぶようにしたいと思います)。
では、ファッションの「大手のナチュカジ」=「等身大カジュアル」が好きなティーンから30代、40代のミセス層が、
前述の自然派コスメを買っているかというと、
もちろん、買っておられる方もいらっしゃるでしょうが、
多くの方々にとっては、「欲しいな、けど、すごく高いわね」という価格帯であるように思います。
たぶん、ドラッグストアとかコンビニで、安可愛く、なおかつ香りにいやされたり、髪や肌が綺麗になるという効能がちゃんとある商品を一生懸命探して買っているのではないでしょうか。
と、ここまで書いて思ったんですが、
アパレル業界で「真性ナチュカジ」のブームをうまく取り込んで「大手のナチュカジ」がブレイクしたように、
コスメの業界でも、資生堂さんとかカネボウさんが、「自然派コスメ」ブームをもっとマスに落とし込みもっと買いやすい価格でうまく展開すれば、
そのブランドがブレイクする可能性は、やはり高いんじゃないか・・・。
この予想、ひょっとしたらはずれるかもしれませんが、個人的には、次に来る確率は非常に高いように思っています。
逆に、コスメの業界のトレンドがいずれアパレル業界にも、と私が思っているのは、
「韓流ブーム」です。
「韓流コスメ」ブームも、大きな意味では「自然派コスメ」ブームの流れの一部にあるように私は思っていて、
それでいて、自然の動植物のエキスを調合した、東洋的な製法は、
欧米発のオーガニックコスメとは異なる特徴を持ち、
さらには、日本人にとっては同じ東洋のカルチャーの流れの中にある商品で、ちょっと懐かしく、安心感のあるもののような気がします。
日本のアパレル業界が、勝ち組大手中堅さんと、本当に小さなクリエーターや小企業のブランド群に二極化し、
かつての日本のアパレル市場の豊穣さの象徴だった「中間層」=中規模の個性的なアパレルが淘汰される時になれば、
おそらく、アジアの外資がその穴を埋めて行く時代の幕開けになると思います。
もちろん、日本側の企業も勝ち組を中心にどんどん輸出していきますが、
こちらの市場にもいつの間にかアジアの多様なブランドが進出してくる、
ハイブリッドカルチャーの時代は、そう遠くない未来の話なのではないでしょうか。
昨日のエントリ
「美容室にも販路を広げる『ジョンマスターオーガニック』」に対して、
ハンドルネーム「販路拡大」様から
「・・・ブランドが浸透すると、化粧品は第三国から格安の並行輸入品が入って来ます。(中略)美容院に
新販路を増やしたのは、物販だけでは一輸入元として難しい価格コントロールの観点から見る必要もあると思われます。」
というコメントを頂きました。
同一品番が一定期間継続するコスメという商品は、ブランド名だけでなく品番名での検索が可能でアパレル以上にネット通販に適しており、
少し流行り始めたものはすぐにネットショッピングモール内のショップに登場しておりますので、
おっしゃられる通りだと思います。
「販路拡大」様の書き込みを読んで興味がさらに沸いてきましたので、
果たして「ジョンマスターオーガニック」の売上高がどの程度あるのか、
調べてみることにいたしました・・・が、
残念ながら、化粧品の専門紙誌さんなどには恐らくそういった情報も掲載されているのでしょうが、
検索では「ジョンマスターオーガニック」単体の売上高らしき数字は見つからず、
ネット上には、
同ブランドの日本での販売権を有する(株)スタイラさんの売上高の情報はございました。
2011年9月期が35億円。
その前の期の、2010年9月期が20億円ですから、急成長なさっておられます。
もちろん、同社が扱っておられるブランドは「ジョンマスターオーガニック」だけではないのですが、
自然派コスメが傍流、ニッチなカテゴリから、コスメのトレンドの1つの大きなメインストリームになってきたという時代の流れを鋭く読んで動かれた成果なのではなかろうかと思います。
ゼロ年代に同一カテゴリで大きく伸びたブランドとしては、他にもファッションビル、準郊外型ショッピングセンターに主要販路を設定した「ロクシタン」「マークスアンドウェブ」さんがございますね。
年末にテラスモール湘南に行った際に「ロクシタン」さんのショップを見て感じたのですが、
娘さんとか、テレビショッピングなどからの影響もあるのか、最近の客層は50代からアラカン(60歳前後)にまで広がりを見せています。
これらの、かつてはニッチにすぎなかった自然派コスメが、ファッションコンシャスな層に食い込んでくことによって、
恐らく、日本の市場で長年百貨店販路への絞り込みで売り上げの金額的には大きなシェアを占めて来た
外資系化粧品のシェアを奪取しているのではないかと推察されるのではないでしょうか。
日本の化粧品の市場規模は、2兆2,000〜3,000万円あるそうなのですが、
先程「ジョンマスターオーガニック」と一緒に、「ロクシタン」の売上高を検索したところ、
ロクシタンジャポン(株)さんの売上高は214億円(2011年3月期)。
外見を飾ることよりも、等身大の私を内面から美しく、
そして、震災後ますます高まった環境問題への意識を背景に、
「自然派コスメ」の切り口でのブランディング、商品開発はまだまだ進みそうな気がします。
(この話題、明日に続きます・・・)。
附記)読み返して、誤字脱字に気づきましたので、加筆修正させて頂きます。乱筆乱文大変失礼いたしました。
今日(というか、もう昨日ですが)、
会社で残業ごはんを食べながら新聞広告に目を通していて、
「えっ」と思わされる情報を見つけました。
(私はコスメの業界に疎い人間なので、コスメ好きの方にとってはたぶん「何を今更」という話だと思いますので、このエントリは読み飛ばして頂いて構いません)。
両国にオープンしたばかりの新しい美容室さんの広告だったんですが、
サロンで通常のシャンプー料金にオプションの代金を追加すれば、「ジョンマスターオーガニック」のシャンプーやコンディショナーを使ってヘアケアを行ってもらえるという趣旨のことが書かれていました。
ネットで検索をかけてみたところ・・・
通常の「ジョンマスターオーガニック」のホームページとは別に、
「johnmaster-salon.jp」という、
全国のジョンマスターオーガニック取扱いサロンの情報のみを紹介するホームページがしっかり用意されていたので、
更に「凄いな」と感心いたしました。
このブランドさんは海外のブランドのようで、日本では(株)スタイラさんという企業さんが販売権を有しておられるようです。
この企業さんが、どのような企業さんなのか、私は全く存じ上げないのですが、
チャネル戦略が非常に巧みですね!
最初、UAさんやビームスさんなど、有力なセレクトショップさんを押さえ、
例えば中央線沿線に住んでいて、古着好き、子どもにはなるべく自然食品を食べさせなきゃ、なんて思っている、パートナー(夫)はもちろんイクメン、教育熱心で、たまにはアースディーにも参加、ファッションにはそんなにお金をかけない。手作り、リフォームが好きな30代主婦・・・といった、
「真性オーガニックライフ派」的なタイプではなく、
ファッションコンシャスなセレクト系とか大人可愛い系の女子という、
「実は、オーガニックにはまるとお金を結構かけてくれる層」をうまくゲットされたのにも
感心していましたが、
百貨店、駅ビル、ファッションビル、準郊外のショッピングセンターなどへの直営店出店に加えて、
「美容室」という大きな販路に着目されたというのには、
まさに脱帽です。
このブランドさんは、コスメというよりは、シャンプー、ヘアケア商品がウリになっているので、
そこを深掘りしようと思えば当然行き当たる道といえばそれまでなんですが・・・。
「ジョンマスターオーガニック」というイメージが一角上のシャンプーを取り扱っているから、
あのサロンへ行こう・・・ということで、
サロン側にとっては新たな集客につながりますし、
逆に、サロンの固定客の中で、まだ「ジョンマスターオーガニック」を使ったことがない方に存在を知って頂ける・・・。
特に、コスメと違って、シャンプーは普通の売り場では体験してもらうことは難しい商品ですので、
余計に美容室さんと組むことは大切なのだろうと思います。
たぶん、このことはコスメの業界のプロの方にとっては常識中の常識なのだろうと思うのですが、
異業種の私にとってはまさに目からウロコで、非常に感心いたしました。
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