2009年11月 4日 (水)

島精機、インターシャ横編み機の進化版を開発

先週の金曜日、10月30日(金)に、繊研新聞、日本繊維新聞、センイ・ジヤァナルなどの繊維関連の新聞さんがこぞって取り上げておられたのが、「島精機がインターシャ横編み機SIGの進化版を開発した」という記事です。

残念ながらこの記事と同じ時に発表された上半期の決算の内容は、厳しい結果だったようなんですが、この編み機は凄いですよ。プログラミングに時間がかかる多色アーガイルなどの柄表現を、編み機と同社の3Dデザインワークステーション「SDS-ONE APEX」とを連動させ、これまで50時間を要したものが1時間で仕上げられるようになったとか。

インターシャというと、市場で見かけるのは、定番的なアーガイル柄とか、このerucaさんのサイトに掲載されている「サリー・スコット」の花柄のセーターのような、シンプルな柄なんですが(一時期「プラダ」なんかもインターシャを好んで使っていましたね)、

新しいマシンの登場によって、より精緻で繊細な柄を横編みニットに編み込むことが可能になってくると、

グラフィックを得手とするデザイナーさんブランドさんや、あるいは、グラフィックデザイナーとコラボしたいブランドさんにとっては、表現の幅が広がって面白い商品開発が期待できそうですね。

本来は「COOL JAPAN」ではありませんが、平面の美の文化を持つ日本企業が優位性を発揮すべきところなんでしょうが、

残念ながら、恐らく、このマシンに一番に飛びつくのは、欧州のラグジュアリーブランドさんになるのではないかと私は思っています。

本当は東コレ系デザイナーさんの中からも、従来型のアナログ系アパレル系デザイナーとは違い、コンピューターグラフィックスやweb、マシンに強い天才プログラマータイプのニットデザイナーに登場してもらいたいんですけどね。もうずっと前から思っていることです。コンテンツとしての多面的な展開の可能性が高く、将来有望な領域なんですが・・・。

話は全く変わりますが、先程Googleを中国簡体字版の設定に変えて「島精機」とか「SHIMA KNIT」などと入力して検索をかけたところ・・・。

B2Bのマッチングサイト「アリババ」内の「島精機の編み機を買いたい」という書き込みや、求人関連のサイトへの「島精機の編み機の操作方法を知っている人材を募集中」といった投稿がかなりヒット致しました。

そういう時代なんですね。進化のスピードは、極めて速いです。

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2009年8月27日 (木)

プロの企画力が求められる時代

8月26日(水)付けの繊研新聞さんに、

ニットのイエリデザインプロダクツさんが、「今秋冬展で50%の受注増」(同紙より引用)という記事が掲載されておりました。

私は同社とは直接の面識は全くございませんが、

同社が手掛けておられる自社オリジナルブランドの「イリアンローヴ」や「アイエルバイサオリコマツ」をセレクトショップさんの店頭で見るにつけ、

こんな風に、本当にニットを良く知っておられる企業さん、本物の企画力のある企業さんは、今の時代、ひっぱりだこになるだろうなと感じておりました。

ファストファッションの時代で、多くの企業さんがその動きに引っ張られて右往左往しておられる時代だからこそ、ファストファッションとは違う、こだわりのものづくり、価値訴求型の商品企画、ODM提案力の高い同社のような企業さんには、チャンスが多いのだろうと思います。

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2009年8月11日 (火)

三菱ケミカル、三菱レイヨンを買収へ

わが業界の中で起こっている出来事は、コップの中の嵐ではないかと感じることが時々あるんですが、今朝の日本経済新聞の1面トップ記事を斜め読みしながら、やはりそんな思いにかられました。

ご参考までに、asahi.comさんの記事をご紹介しておきます。

三菱ケミカル、三菱レイヨンを買収交渉、今秋合意めざす(H21.8.10asahi.com)

今回の買収は、三菱レイヨンさん側よりも、むしろ三菱ケミカルさんが化学業界でシェアと国際競争力を高めるために、三菱レイヨンさんの手掛けておられるアクリル樹脂原料や炭素繊維事業が欲しいため、のようであります。

三菱ケミカルさんを三菱レイヨンさんの「親」に例えるのはちょっと違うかもしれない、せいぜい「兄」と「弟」くらいの関係性のように感じますが、早々に合繊から高機能素材にシフトしていた三菱レイヨンさんはお兄さん孝行の弟だと言えるかもしれませんね。

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2009年8月 2日 (日)

コーチ社がアパレル、服飾雑貨、香水の新ブランド「リード・クラッコフ(Reed Krakoff)」を開始

コーチ社が、同社のプレジデント兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターであるリード・クラッコフ氏の個人名を冠した新ブランド「リード・クラッコフ(Reed Krakoff)」を、2010-11年A/Wコレクションから発表するというニュースがございました。

注目すべきは、このブランド、レディスのバッグやジュエリー、フレグランスに加えて、アパレルも立ち上げると明言しておられることなんですよね。さらに、将来的にはメンズやホームコレクションも手掛け、ライフスタイルのトータルブランドとして育成していく方針のようです。

服飾雑貨に関しては「コーチ」での成功のノウハウを有している同社ですが、ロイター(REUTERS)のWebサイトを見ると、

あるアナリストのコメントとして、「アクセサリーでの成功は必ずしもアパレルに翻訳されるとは限らない」(筆者訳)との懸念が記されております。

その一方で、Needham & Co社のアナリストChristine Chen氏が、マーク・ジェイコブスやカール・ラガーフェルドの例を引き合いに出しながら、

「優れたデザイナーはマルチトラック(複数の選曲を行うこと)が可能だ」(筆者訳)とコメントしているということも紹介されておりました。

私の意見は、上記のアナリスト達のコメントはどちらも正しいだろうな、と。

その上で感じるのは、企業としてのコーチ社は業績も堅調ですので、新たなチャレンジが会社をより強くし、株主さんやお客様の期待に応えることにつながるのではないか、ということです。

アパレルに関しても、トレンド性が高い商品ではなく、「ラルフ・ローレン」や「カルバン・クライン」などのアメリカン・ブランドの成功事例のように、スタイルを明確に打ち出し、上質な単品を何度もリピーターに購入して頂けるようなブランドにしていけば、

服飾雑貨ほどではないにしても、そこそこの収益は上げていけるのではないでしょうか。

アメリカだけでなく、日本や香港には早い時期に出店されるとのことのようであります。クラッコフ氏は卓抜したセンスの持ち主ではないかと思いますので、ブランドデビューが非常に楽しみです!

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2009年7月 4日 (土)

伊藤忠商事さんの本気度

自分で直接取材した訳ではないので言い切ることは出来ないんですが、

昨日や一昨日(というか、もう12時回ったのでそれプラス1日で、木曜日付けや金曜日付けということですか)の繊維ファッション関連の業界紙各紙の報道を見る限りでは、

企業の人事には、その企業の本気度が濃厚に現われるものだな、という風に感じましたね。

関連のニュースリリース、というか、もっと中国らしいなという表現になっている文章が、杉杉集団有限公司さんのホームページに掲載されておりましたね。

杉杉集团与伊藤忠商事株式会社建立全面合作关系ー杉杉企業

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2009年7月 2日 (木)

祝!日本モデリスト協会「JNMAニュース」通巻50号

日本のモデリストの皆さんと、モデリストを心から応援している方々の集まりである、「日本モデリスト協会」さんが発行している会報「JNMAニュース」が、2009年6月30日付けの号で通巻50号になったそうです(拍手)。

会自体は2001年2月14日に発足、第1号は同年4月に発刊しているんですが、8年以上に亘って着実に実績を積み上げていかれたということは素晴らしいことだと思います。

技術的なことで細かいことは私にはなかなか理解できない部分も多いんですが、第1号からの会報は全て、大切に保存しております。

記念の号となる50号では、司会の日本モデリスト協会事務局長・本多徹氏(アパレル工業新聞編集主幹でもいらっしゃいますね)を含めて、総勢12名の方々による座談会の内容が掲載されておりました。

会員さん向けの媒体なので、詳細のご紹介は差し控えさせて頂こうと思いますが、業界のトップゾーンを走っておられる方々のお話は非常に示唆に富む内容で、勉強になりました。

ちなみに、「モデリスト」とは、「縫製の解るパタンナー」「パターンの解る縫製技術者」のことで、アパレルと工場の機能が分離しているケースが多い日本のものづくりの世界において、高付加価値型の服づくりを進めていくうえでキーパーソンとなる存在のことを指します。

最近私自身は、土曜日も仕事をしなければならないことが多く、なかなか集まりに参加できないような状況になってしまっているんですが、会の趣旨に共鳴しておりますので、ずっとサポーター会員は続けさせて頂こうと思っております。

特に若いパタンナーの皆様、縫製工場のオペレーターの皆様、見識を深めご自身の心技体を磨きたいと思っておられる方には、おすすめですよ!

日本モデリスト協会

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2009年6月 4日 (木)

第31回(08年度)繊研賞、岩手モリヤさんに一票!

(本日2本目のエントリです)。

ハ、ハクション。何だか、どこかのブログで噂されている気が(笑)。

もう一丁、さくらのつぶやきを。

今日6月4日(木)付けの繊研新聞さんに、第31回(08年度)繊研賞の受賞者が決まったという記事が掲載されておりました。

ユニクロさん、繊維産業流通構造改革推進協議会さん、「クロスウォーカー」をヒットさせたワコールさん、「ZOZOTOWN」のスタートトゥデイさんと、いずれ劣らぬ立派な企業さん団体さんが選ばれておりましたが、

さくら的には、候補者の中に含まれていた

「技術力を磨き、日本ならではの縫製工場の行き方を追求する岩手モリヤ」さんに、

一票を投じたいなと、思いました!

(アパレルさんとの二人三脚での高付加価値な婦人服作りは、本当に素晴らしい成功事例だと思います)。

岩手モリヤ(株)

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オルドス、上海1号店を開設ー高級カシミヤ「1436」国際ブランドに育成ー(H21.6.4繊研新聞)

内蒙古に本社のあるカシミア大手のオルドスさんが、「1436」という高級カシミアブランドを展開なさっておられることを、今日6月4日(木)付けの繊研新聞さんを読んで初めて知りました。

今、ネットで検索をかけ、この記事を探し出し、更にYahoo!Japanの翻訳サービスを使っておおよその意味を把握したんですが、

「1436」という商標(ブランド)自体は2007年からスタートなさっておられたようで、今度の上海のお店は中国全土では15番目の店舗であるようです。さくら、最近はほとんど中国国内では上海にしか行っていないので、このブランドのことを初めて知りました。

繊研さんの紙面に掲載されていた店舗のお写真は、まるでラグジュアリーブランドのショップのように立派でしたし、「価格はカシミヤ衣料が4000元前後、ストール2000元」(同紙より引用)と、彼の国では超高級ゾーンですから、

これは、かなり期待できそうであります!今度上海に行ったら、必ず店舗に足を運んで、現物を手に取ってみたいと思います。

先程ご紹介した中国の記事文中の、「Semi-fashion」というコンセプトがナルホド、という感じでしたね。「Semi-Fashion」とはどういう意味なのかの説明として、「教養があって、見識が広く、気品があって、流行に踊らされない高額所得者がターゲットである」云々といったことが書かれており、日本流に言うと、「ニューベーシック」とか「進化系ベーシック」みたいな感じに近いんだろうな、と思います。

こちらのサイトには、2008年秋に発表された商品の画像が掲載されていますが、レディスに関しては日本人的な感覚で評価すればディテールがちょっとくどいかなと。ただ、この記事に書かれている通り、外資系ブランドに席巻されている「ラグジュアリーブランド」のゾーンに果敢にチャレンジしようという意気込みは素晴らしいと思います。

オルドスさんは、カシミアの一貫生産体制を有しておられるはずで、ものづくり面では圧倒的な強みをお持ちだと思います。これに、川下のブランド戦略が加われば、川上から川下までを完全に押さえることが可能になりますよね。

まずは中国国内で認知され一定のシェアを取ることが先決だと思いますが、将来的には「1436」を「バランタインカシミヤ」とか「セイ」なんかに負けない、グローバルなブランドに育てていって頂きたいなと思います。

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2009年3月31日 (火)

独パフ買収へー大手ミシンの傑克控股集団ー(H21.3.26繊研新聞)

展示会でバタバタしていた先週、気になった繊研新聞さんのベタ記事(いずれ生産系の新聞さんには、もっと詳しい記事が掲載されるのではないかと思うが)。

ドイツのパフ(Pfaff)社といえば、業界内では知名度のある企業さんだ。昔、ペガサスミシン製造(株)さんの岡山支店で、パフのプライベートショーを見た記憶があったので、ネットで検索をかけてみたら、同社とペガサスヨーロッパとのジョイ弁(合弁のことです、ハイ)は2002年に既に解消されていたようだ。

昨年9月に破産申請したパフを買収しようとしている傑克控股集団は、浙江省の企業さんだ。同社のホームページを見ると、パフの買収云々以前から、海外の縫製の盛んな発展途上国に幾つも販売拠点を築いており、着々とグローバル化を進めていたことがわかる。

「カッパ(Kappa)」ブランドのフェニックスが中国動向集団の傘下に入ったことは記憶に新しいが、これからも欧米や日本の企業が中国の優良企業に買収される案件はぽつぽつ出てくるのではないかと思いますね。

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2009年2月22日 (日)

プルミエール・ヴィジョンに中国企業1社が初出展ー山東如意集団ー

繊研新聞さんや日本繊維新聞さんなどに小さく取り上げられていたが、世界のテキスタイルトレンドに最も影響力があるパリのテキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン」の2010年S/S展に、中国のテキスタイルメーカーが史上初の出展を果たしたそうだ。

その企業さんの名前は、山東如意集団。ホームページを見る限りでは、かなり立派な企業さんのようだ。B2Bサイトのアリババにもご登録なさっておられるようですね。

山東如意毛紡集団

山東如意毛紡集団ーアリババ

ちょっと気になったのは、こちらのAWIさんの記事と繊研新聞さんの2月19日(木)付けの記事「ドバイ、日本にオフィス開設予定ー山東如意集団ー」という記事に登場する数字がかなり違っていた点だ。

AWIさんの記事では、年産能力について「梳毛織物で年産800万米」、生地の価格については「スーパー100's級で輸出単価は1米当たり12ドル」と記されているが、繊研さんでは、「生地の平均価格は1メートル35ドル」、生地の生産能力は「年1600万メートル(150センチ幅)」となっている。

まあ、何を基準に話すかによって、この種の問いへの回答は変わってくるとは思うが、「1メートル35ドル」というと、確かに相当に高級な部類に入ってきますよね。現物を見ていないので何とも言えないのだが、カシミアなど、原料からして高い素材を使った織物も沢山出展しておられたのだろうか。

繊研新聞さんの記事によると、同社は対米輸出の落ち込みをカバーするため「半年以内にドバイと日本にオフィスを設立する予定だ」(同紙より引用)とのこと。高級ゾーンをヨーロッパと日本の企業が独占出来る時代では、徐々になくなりつつあるようですね。

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2009年2月19日 (木)

繊研新聞さんの商社特集に何故M菱商事さんの記事が出ないの?

今日(もう昨日か)2月18日(水)付けの繊研新聞さんをご覧になって、「おやっ」と思われた方も多いかと思うのだが、

商社特集の、各社首脳へのインタビュー部分にも、総論(まとめ)の部分にも、M菱商事さんが全く登場しておりませんでしたよね。

ちなみに、広告の方は、ちゃんと掲載されていたのだが。

同紙の商社特集からは、もう大分前から、M井物産さんの記事と広告は消えてしまっている。商社の売り上げランキングからもだ。「ライフスタイル事業部」になったので、繊維以外の売り上げも含まれておりますから、というようなご説明が、随分前にちらりと載っていたようにも記憶しているのだが、

さて、M菱さんの場合は、どうなんでしょう。同社のホームページによると、現在は、「生活産業グループ繊維本部」というくくりになっておられるようなんですけどね。

まあ、商売の世界なんで、繊維から手を引いていこうとしている者に対して無理してしがみつこうという買い手はいない、従ってそういう企業についての記事は掲載する必要はないという理屈になるとは思うのだが、M菱さんの場合はそこまでの状態ではないと私は思っていたのだが? 私の認識違いであろうか?

ところで、M菱さんと言えば、最近ネットの世界では非常に話題になっている「シュフモ」にからんでおられます。こういう話題には、ファッション系の業界紙しか読んでいないと、ついていけなくなってしまうんで、皆様気をつけましょう。

繊研さんに限らず、業界紙さんは、そろそろマンネリ化した商社特集とは違う切り口での取材(当然エネルギーを非常に要する、しんどい取材ですが)をすべき頃合いだと私は思うんですけどね。

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2008年12月25日 (木)

ファクトリーが手がける人気ナチュカジブランド

昨日12月24日(水)付けの繊研新聞さんに掲載されていた、中小機構(中小企業基盤整備機構)による「中小繊維製造事業者自立事業の成果調査報告書(03年度〜06年度採択事業者)」の要約記事を見ていて、気づいたことがある。

一覧表の中に、今静かなブームを読んでいる雑誌『ナチュリラ』とか『リンネル』に頻繁に登場している話題のナチュカジ系ブランドさんが3つも含まれていましたね!

ということで、さくらが勝手にレコメンドさせて頂きます♪

evameva(近藤ニット様)

ネストローブ(ネキスト様)

南京豆印(ピーナツ・レーベル)(和吾毛織様)

天然繊維を使い、上質で長く愛用してもらえるリラックス感溢れるカジュアルウェアというのは、どうやら、スローなものづくりを旨とする工場(ファクトリーブランド)には、ズバリ、マッチするテイストだったようだ。生き方、働き方そのものが、商品の持つイメージと重なり合っているんですよね。

ファストファッションブームばかりが市場を席巻しているかのような報道が多い今日この頃だが、そうではない売れ筋というのも、いろいろ存在している。自社に合った市場の芽をいかに早くつかみ、外部の企画のプロと協業し、徹底してよい商品を作って行くか。

上記3社は、自立事業の補助金のお陰もあってか、直営店を展開しておられること、自社サイトを有していることが、雑誌掲載との相乗効果を生み、卸ビジネスや本来の製造業の方にもプラスに働いていっているのではないかと思います(取材しておりませんので、言い切れませんが)。

今、ナチュカジブームに乗り遅れた、と思っておられる皆様、ご心配されなくても、ファッション業界にはまた次の波がやってきますから、そこにうまく乗るよう、力を蓄えておきましょう。

ただし、大切なことは、「自社の持つ経営資源に合った生き方」を選ぶことだと、私は思います。間違っても、国産の製造メーカーが安売り競争には参入はしないことです。

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2008年10月18日 (土)

JIAM、次回もシンガポールでー最先端の情報発信し商売にー(H20.10.17センイ・ジヤァナル他)

(今日はもう1つエントリをアップしておりますので、1つ下のエントリからご覧下さい)。

センイ・ジヤァナルさんだけではなく、10月17日(金)付けの業界紙各紙の報道によると、日本縫製機械工業会さんが、次回3年先の2011年のJIAM(国際アパレルマシンショー)の開催地を、今年度に続いてシンガポールで開くことに決定したそうである。

来場者数が2008年は12,000名しかなかったという問題はあるにせよ、CISMAが存在するので中国での開催はありえず、その他のアジアの国でアジア全域から来場しやすい国となると、

やはりシンガポールしかないのでは、と、私は思っておりました。

日本で再び、というのは、販売戦略を考えれば、あり得ないと思うので。

ただ、日本国内の縫製工場さんやアパレルさん、専門学校さんなどへの啓発という意味合いでの活動は、FISMAや地方のミシンショーの活性化及び、得意先回り、紙媒体及びWeb関連も含めた各種媒体でのPR、セミナーや技術講習会、プライベートショーの開催などでしっかり取り組んで頂きたいなと、強く思います。

繊維機械展は長年ウォッチしているテーマの1つなので、次回の2011年のJIAMも、まだ生きていたら(笑)、時間を作ってまた見に行こうと思います。

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2008年10月12日 (日)

たて編シームレス機、新世代機が登場ー日本マイヤー「シームレス・スマート」開発ー(H20.10.8センイ・ジヤァナル)

皆さ~ん、昨日のブログ、お休みしてしまって申し訳ございませんでした。

昨日は1日、完全休養日として、仕事からもブログからも離れてのんびり過ごしておりました。

そして、今日は午後から出勤、名刺の整理と、溜まっていた仕事をあらかた片付け、ホッとしております。

ということで、ブログの方も、先週を振り返って書き残していたネタについて少し記そうと思っているんですが・・・。

10月8日(水)付けのセンイ・ジヤァナルさんの1面トップ記事が気になりましたね。ドイツのカール・マイヤー社のジャパン社、日本マイヤーさんが、パンスト、インナー、アウター、テープ向けのたて編シームレス機の新世代機「シームレス・スマート」を開発したという記事だ。

以前からたて編のシームレス機そのものは存在していたようで、私も繊維機械の展示会で同社の社員の方から直接そういう話を聞いたこともあるが、いかんせん量産型で、価格も高かったようだ。

今回特筆すべきことは、ドイツのカール・マイヤー社ではなく、日本マイヤーが独自に、先進国向けの小型のマシンを開発した、という点にある。ダブルラッセル機(注:センイ・ジヤァナルさんは「ダブルラッシェル」と記述)で、有効編幅が44インチというのは、確かに小型ですね。

まずはプライベート・ショーで発表されるためか、同社のWebサイトには詳細な情報がまだ記されていないのが残念だが。

人口がこれから減少に向かう日本では、「余るほど沢山生産する」というのは、もう流行らない。適量が速く生産出来、マシンの価格も安い、というあり方が望ましいと思う。他の繊維機械のメーカーさんも、この姿勢を見習って頂きたいなと思いますね。

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2008年8月 4日 (月)

「トゥルー リリジョン」、ブランド表記を変更

今日8月4日(月)付けのWWDジャパンさんを読んでいて知ったのだが、人気デニムブランド「True Religion」さんは、今年6月にジャパン社が設立されたのを契機に、日本語表記を「トゥルー リリジョン」になさっておられるようだ。

既に日本では「トゥルー レリジョン」で通っているものを、何でわざわざ変更されたのか、その理由に興味があるのだが、欄外の「MEMO」欄にも社長インタビューの欄にも、このことに関する説明はひと言もなかったんですよね。

ちなみに・・・

Yahoo!Japanでの検索数:トゥルー レリジョン 688,800件

同             :トゥルー リリジョン 1,590件

Googleでの検索数:トゥルー レリジョン 486,000件

同         :トゥルー リリジョン 468件

「トゥルー リリジョン」と現在の正しいブランド表記で検索された方に対しては、どちらの検索エンジンも親切に「もしかして:トゥルー レリジョン」「トゥルー レリジョンではありませんか」といった誘導がなされるようになっているのだが・・・。

その逆、「トゥルー レリジョン」で検索をかけると、今まだジャパン社の公式サイトらしきものは存在せず、別の企業さんの名前でwww.truereligion.jp/ のサイトが立ち上げられているようだということがわかる。

いろいろご事情があるのかもしれないし、インポートブランドなので並行輸入の商品も市場に沢山出回っておられるのだろうと推察するが、新しく設立されたジャパン社さんには是非、日本の消費者やブランドのファンの皆さんに納得のいくようなご説明をなさって頂きたいと思います。

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2008年7月15日 (火)

ITMA ASIA+CITME 2008のニュースレター

先週の土曜日(7月12日)、私が右目を一生懸命休ませている頃に、私の会社のメールアドレス宛てにニットの機械展「ITMAアジア」と「CITME」のニュースレターがHTMLメールで届いていた。

多分、この間5月にシンガポールで開かれたJIAMに行ったりしたもんだから、私と名刺交換をしたどこかの出展社の方が送って下さったのであろう。「countdownletter 2nd issue」と書いてあったが、1st issueを見た記憶がない。申し訳ないが、恐らくスパムと間違えて即ゴミ箱行きにしてしまったに違いない。

元々はヨーロッパ発の「ITMAアジア」の方は確か、かなり前からシンガポールで開催していた筈(但し、頻度は多くないが・・・)と思って今検索をかけてみるとやっぱりそうで、2001年の初開催の時からでしたね。「CITME」の方は北京でやっていたものを1つにまとめて、ということになるようだ。

開催日は7月27日(日)から31日(木)。何と、来場者数は10万人を見込んでいるようで、やはや、縫製機器中心の展示会の「CISMA」と同じく、黒山の人だかりでパンフレットだけは飛ぶように売れていく・・・という事態が予想されているように感じました。

ご関心のある皆様のために、そのHTMLメールから飛ばしてあった「Textile&Apparel」というニュースへのリンクを2本ご紹介しておきます。

Textile&Apparel-ITMA Asia+CITME 2008 debuts in Shanghai

Textile&Apparel-Innovative solutions on display in Shanghai

下の方のリンク先の記事の下の方に、「Knitting Industry Expanding Asia(アジアで躍進するニット産業=筆者訳)」という囲み記事があって、かなり参考にして頂けるのではないかと思うんですが・・・。

あっ、念のため書いておきますが、記者の皆さんはこれをそのまま訳して紙面にポン、というのは、くれぐれもやめてくださいね(爆)。

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2008年7月 7日 (月)

短繊維織物無地染め企業、加工賃20%引き上げ要請ー原燃料の高騰で限界ー(H20.7.4繊研新聞他)

川下の消費不振と、原油高・原料高で、川上の製造メーカーの苦境が続いている。

7月4日(金)付けの繊研新聞さんの「短繊維織物無地染め企業、加工賃20%引き上げ要請ー原燃料の高騰で限界ー」の記事を読んで、岡山時代にお世話になっていたH染工場さんやT染工さんが廃業(もしくは近日廃業)されることを知り、衝撃を受けた。

90年代の後半頃、今時分の季節になると暑中署名広告を頂くためこういった企業さんを1日に数十軒、自転車で回っていたのだが、そういう時に、ある染工場の会長さんが折れ線グラフを見せて下さり、「○○さん(私の本名)、加工賃はこの15年間、こんな風にずっと下がってきている。ものの値段が何でも上がっている折に、これでやっていけると思いますか?」とおっしゃっておられた姿を思い出し、胃がキリキリと痛くなった。

全国短繊維織物無地染工業組合の組合員の皆様の「加工賃20%引き上げ」の要請も、繊研新聞さんの報道によると、C重油が2004年6月対比で約3.48倍、A重油が昨年末対比で約1.61倍、染料と助剤も今年に入って10~30%も値上がりしているということで、尋常ではなく、非常によく理解できるんですよね。

もう1つのアプローチ手法としては、これはむしろ繊維機械の業界の仕事になるのだろうが、「そもそも重油を使わない染色方法」を発案すべき時に来ているのではないかという気がする。

安易なことを申し上げられるべき立場ではないが、本当に、儲からないことをやっても仕方がない。いかにして儲かる仕組みを構築するか、輸出も含めて、いかにして儲かるゾーンにシフトするか・・・それしかない、としか言いようがないのが辛い。

それと、現状の原油高には投機性を感じるが、そもそもBRICSやそれに続く発展途上国がどんどん石油を利用しはじめると、石油資源が枯渇する・・・というのは、やはり必然なので、我々先進国の人間が先頭に立って「ものを大切にする心」を持つ、ということが必要なのではないだろうか。

高いものだろうが安いものだろうが、生産者の方々が丹精込めて作って下さっているものを、粗末にしてはいけない。子供の頃、「ばちがあたる」ということをよく周りの大人達が口にしていたが、環境問題なども含めた現在の状況はそれこそ「ばちがあたりかけている」という風に見ることが出来るのではないだろうか。

ものを大切にしなければならないというのは、それが輸入品だろうと国産品だろうと同じことだと思うのだが、そういう気持ちが芽生えた時に初めて、ファッションの世界でも、食の世界と同様に、隣近所で汗水たらして頑張っておられるものづくり企業の方々への畏敬の念が芽生え、「地産地消」の可能性が生じてくるように思うのである。

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2008年5月31日 (土)

JIAM2008の来場者数

元同業者の皆様の力強い報道のお陰もあってか、私のブログのJIAM2008ネタへの反響もそこそこございますので、念のため書いておこうと思うのだが・・・。

今週の水曜日、5月28日(水)付けの日本繊維新聞さんとセンイ・ジヤァナルさんに掲載されていたJIAM2008の来場者数と国別内訳は次の通りです(引用させて頂いております記事の見出しは、日本繊維新聞「シンガポールと周辺地域の来場顕著 1万2000人が訪れる『JIAM2008』」とセンイ・ジヤァナル「JIAM約1万2千人来場」)。

JIAM2008来場者数合計 85か国・地域11,982名

【開催日別内訳】

初日(5月13日火曜日)・・・3,673名

2日目(5月14日水曜日)・・・4,322名

3日目(5月15日木曜日)・・・3,035名

4日目(5月16日金曜日)・・・952名 *この日が私が行った日。

【国別内訳】

1位・・・シンガポール20.9%

2位・・・マレーシア13.8%

3位・・・インドネシア8.9%

4位・・・スリランカ6.8%

5位・・・日本6.7%

6位・・・中国5.7%

7位・・・バングラデシュ5.4%

8位・・・インド3.5%

主催者サイドでは本当は20,000人は集客したいと思っておられたようなんですが、シンガポールまで出向かなければこんなに沢山の東南アジアや南アジアのお客様は呼び込めなかったと思うので、やはり、リスクはあっても外に打って出た成果はあったと見てよいのではなかろうか。

センイ・ジヤァナルさんの報道によると、日本からも輸縫連さんが視察団を派遣なさっておられたようだが、縫製工場やアパレルの皆様はお忙しいので、何日も日本を離れられない、というのも実情だと思う。

日本国内の縫製工場さんやアパレルさんなどへの商品のプレゼンテーションの場としては、商品構成をJIAMとは変えてFISMAを充実していかれればよいのではないかと私は思います。

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2008年1月31日 (木)

福島産地がモスクワでショーーロシアの人々を魅了ー

今日1月31日付けのセンイ・ジヤァナルさんが、福島ニット工業組合さんが経済産業省の「ジャパンブランド育成事業」の認定を受け、今月24日にモスクワ市内のホテルで行ったニットのファッションショーについて報じていた。

同紙によると、「当日のホテルホリディインのショー会場には、政府関係者や小売店のバイヤー、卸業者など400人が来場、立ち見が出るほどの盛況ぶり」だったようだ。さらには、「福島産地が得意とする手作り感覚のファンシーヤーン使いは『素晴らしい』の連続で、『いつからビジネスを始めるのか』など、すぐにでも取引を開始したい意向を示した関係者も多かった」(センイ・ジヤァナル)そうである。

ここにきてどうやら完全に、ロシアは高感度な商品が売れるホットなマーケットにまで成長してきたようだ。寒い地域なので、横編みニットの需要はきっと大きいでしょうね!

センイ・ジヤァナル紙には、「ジャパンブランド育成支援事業」の継続が承認されれば、来年度はロシアの2都市で展示会を行って受注を取りビジネスを開始していく旨書かれていた。このチャンスを逃す手はないですよね。是非、商売でも成果を上げて行かれることをお祈りしております。

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2008年1月 8日 (火)

小さな声で「カシミヤ・・・」

今日からまた、バタバタの毎日が始まって自宅にもお仕事お持ち帰り状態なので、小ネタで勘弁してチョ。

川上に強い繊維関係の業界紙・繊維ニュースさんのブログ「こちら『繊維ニュース』Web編集局」の、新年一発目・1月4日付けのエントリを読んで、

「ふむふむ、やっぱり私と同じことを考えておられる方がおられるんだな」と思っちゃいました。

あんまりあおるのは好きじゃないんで、小さな声でささやきますが・・・。

リッチな方は別として、庶民の方で、カシミア(カシミヤ)のニットやストールなどがどうしても欲しい方は、今年買っとかれた方が良いかもしれません。

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2007年12月24日 (月)

成熟市場だから「スローウェア」ー得意技持ち寄る伊専業メーカーー(H19.12.22繊研新聞)

「パンツ一筋」のイタリアの単品専業ブランド「インコテックス」を企画・製造・販売しているインドゥストゥリエ・コンフェツィオーニ・テッシリが、他の単品ブランド3つを加えたショップを来年から全世界に出店していこうという、「スローウェア・プロジェクト」に関する記事が、12月22日(土)付けの繊研新聞さんに掲載されていた。

墨田区界隈の工場さんからも、ファクトリーブランドを集積したショップをやってみたいという「夢」を、時折聞かされることがあるが、実際やるとなると相当に至難の業だと私は思うのだ。

まずは、リーダーの問題。工場のオーナー同士が集まって、その中から人格的にも、リテイルショップを運営するノウハウやリーダーシップにも長けていると思われるリーダーを選び、その人の下にまとまる・・・といったことが現実的に可能なのか?それよりは、全く別のところから現れた人材(アパレルやSPA出身者)がリスクを取ってビジネス化した方が可能性は高いかな、という気がするのと・・・。

商品グレードが揃っている工場が集まることの難しさ。同業の工場同士の集まりだと、お互いに相手の技術や感性の問題について指摘しにくいということ。

私が知っている事例では、お互いにそこそこ腹を割った関係が出来ていて、高いレベルの工場さんのオーナーが低いレベルの工場さんにいろいろ改善点について説明して上げているのだが、結局直すことが出来ない、といったこともあった。

例えば、婦人服のプレタ(高級デザイナーズブランド)を縫製する工場と、中の上クラスのブランドを縫製する工場、ボリュームゾーンのキャリア服を縫製する工場では、ラインの編成、揃えているアパレル機器の種類、社員教育のレベル等々かなり差がある。

志は同じでも、工場のレベルが違えば上がってくる商品のグレードは全く変わってくるのだ。当然、プライスゾーンも違うため、それが同じお店で、というのは、客層も変わってくるため難しいだろう。

さらには、上記2点の問題がクリア出来ている、すなわち、リーダーがいて、集まっている(あるいは、リーダーが集めた)工場のグレードが概ね揃っていたとしても、

生産と小売りを直結させるためには、リテイル(狭義のMDだけでなく、出店交渉やストアデザイン、人材の採用と教育など店作りと店の運用に関する全て)を知っていてそれを実行出来るだけの実力が必要、という難関が待ち構えている。

インドゥストゥリエ・コンフェツィオーニ・テッシリのロベルト・コンパーニョ社長が、繊研新聞さんのインタビューに答えておられる通り、「スローウェア」、すなわち、アパレル発、リテイル発のSPA(製造小売業)のようにトレンドに依拠して短サイクルで商品を回転させることをせず、デザインは自社の定番を微変化させる程度にして、素材の良さ、パターンの良さ、縫製の良さを売り物にし、じっくりと大切に商品を売っていくやり方ならば、リテイルMDに長けていないという弱みをカバーし、逆にファクトリーブランドの強みを成熟した消費者に堂々とアピールすることが出来るだろう。

このインタビューで最も興味深かった部分は、「インコテックス」は既にイタリア製のみならず、ポルトガルやルーマニアでも生産され、商品のレベルもイタリア製と同じくらいになってきている、というくだりだった。社長からは、「『アウディ』や『トヨタ』の自動車がどこの国で作られたかを気にする消費者はどれほどいるだろうか」(繊研新聞より引用)という発言もあったようである。

実際のところ、ファクトリーブランドの強みは、「著名なデザイナーズブランド、アパレルブランドより安い」というところにある。その強みがユーロ高によって失われつつある状況下においては、現実問題としてイタリア国内での生産に固執している企業は生き残れない、という切迫した状況にあるのではないかと思って私は読んだのだが・・・。

もし、日本の工場さんが仮に4社くらい集まった場合は、「国産」をPRするというモデルと、海外生産のものも混ぜていくというモデルと、両方アリのような気がする。

現状の対商社とか、対アパレルへの出し値、掛け率を考えると、ファクトリーが消費者に直販すれば国産でも十二分に消費者へのメリットは出せる状況にあると思うのだ。

特に今後、来日するアジアからの観光客向けの商品では、「日本産」の方が喜ばれるように思いますしね。

私自身も、チャンスがあれば複数のファクトリーによる協業ショップにはトライしてみたいという気持ちは持っています。但し、これは本当に、理念が共有できるだけでなく、業種は違っても工場としてのグレードが揃っている複数の工場さんが身の回りに登場する、さらに、理想を言えば、オーナーの年齢も若くほぼ同年代である、という条件が揃うことがあれば・・・ですね。

当たり前のことですが、補助金は一切使わずに勝てる、勝つという覚悟のものだけが集まる、というのが、ミニマムの条件です。

基本は、まずは個が自立すること。個人的には、まずはこちらが先だろうな、と思うんです。

一国一城の主であるオーナー同士が連携、なんてことは、通常はどんな業種でも、優秀な者同士でも本当はかなり難しいことなんですよね。

ただ、繊維の世界でも過去に幾つかの事例がある通り、条件が整えば協業というのが全く不可能な訳ではないんですよね。自立したファクトリーが増えてくれば、異なるアイテムの複数の専業メーカーによるショップ運営以外にも、様々な成功パターンというのは考えられると思います。

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2007年10月 3日 (水)

ITMA盛況ー149カ国から11万8000人が来場ー(H19.10.3センイ・ジヤァナル)

久々のニュース解説です。

ニットの専門紙、センイ・ジヤァナルさんの今日付けの記事が目を引いた。9月13日から20日までの間、ドイツのミュンヘンで開かれた繊維機械の見本市・ITMAが、出展企業数、来場者数共、過去最高、大盛況だったのだとか。

詳しくお知りになりたい方は、是非同紙をご購読して頂きたいと思うが、同紙によると、出展企業数がこれまで最高だった1995年のミラノ開催時の1,436社を超えて1,451社、来場者数は何と149カ国11万8,000人強だったそうだ。人数は、主催者予想の6万人を大幅に上回るもので、嬉しい悲鳴といった感がある。

欧州域内から多数の来場があるのは当然として、インド、トルコ、中南米からの来場が増加しており、逆に、東アジアには繊維機械展の有力なものが複数存在するため、中国からの来場者数はそうでもなかったとのこと。

いやはや、世界の様々な地域で続々と繊維産業が興隆しているようだ、かつての日本や欧米がそうだったように、工業の歴史は発展途上国ではまず繊維から始まり、輸出で外貨を稼ぐ、というパターンになる。

従って、日本や欧米のような先進国のものづくりは、彼らとは違う付加価値、強みを打ち出していかないと、コストの点では当然太刀打ちできないだけに、「我々にお任せ下さい」ということになってしまうだろう。

その記事の横に、囲みで島精機製作所の島正博社長へのセンイ・ジヤァナルさんが単独で取材された記事が掲載されていた。

この中に、注目すべきトピックが2点あった。

1点は、今回のITMAで発表されたホールガーメントの「プロトタイプマシン」(まだ正式な名前も付いていないマシンのようだ)の最高編成スピードが、どうやら秒速2メートルを超えているらしいこと!

かつてのホールガーメント機は、「速度が遅い」というイメージが強かったが、これは凄いですよ。相当に生産性が高まってきていますね。

もう1点は、3次元対応のデザインシステム「SDS-ONE APEX」が、3次元サンプルをバーチャルで作り上げることが出来るものになっているということ。

最近さくらはニットの担当ではなくなって島精機さんとご無沙汰してしまっているんですが、このシステムは是非この目で確認したいと思っております。昨日のIFIさんのセミナーでのミズノさんのお話と全く同じで、サンプル作りにどうしてもコストと時間がかかってしまうので、それがほとんどバーチャルで完結してしまうならば、商品開発のスピードはこれまた格段に上がってくる。

中国も手横、人海戦術でなくなりつつある今(ガンガン島さんの機械を購入していますよね)、中国と日本の比較でいうと横編みのニットの場合は、原料の問題と、高価格帯商品のリンキングの問題を別とすれば、編物設計・プログラミング技術、つまりは頭脳対頭脳の勝負に移行しつつある。

この間、このブログで士郎正宗原作の映画「エクスマキナ」の衣装をミウッチャ・プラダがデザインしたことをご紹介したけれど、島さんのシステムは、例えばアニメーションとか、「セカンドライフ」のような3D画像用の衣装をデザインし、それをリアル=実際の店頭販売用にも生産するとか、その逆、なんてことが出来る状況にほとんど近づいているのではないか(ただ、汎用性の高いアプリケーションではないので、もう1つ変換ソフトのようなものが必要だとは思いますが)。

ほんと、この記事は昨日のセミナーの話と非常にリンクしていて、ニットの場合は、テクノロジーが高度に発展している先進国ならではの展開というのがいろいろありうるんじゃないだろうか。

私が少し前からイメージしていた、「人間の肌と一体化した服」も、ソマルタさんがニットで具現化されましたしね。合繊のニットというのも、工業用途も含めて面白いと思うし。いろいろ考えると、まだまだやれることはあると思えて、わくわくしてきます。

やっぱり機械展は見逃せませんね。来年はやはり、シンガポール(JIAM)行きかな。さて、どうやって時間を作り出すか。

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2007年7月22日 (日)

グレースインターナショナル・岩佐社長の繊研新聞への寄稿原稿「物作りの原点回帰」

(今週は、ポッドキャストはお休みさせて頂きます)。

最近の業界紙の記事の中では、7月19日(木)と20日(金)に掲載されたグレースインターナショナル代表取締役・岩佐正樹氏の寄稿原稿「物作りの原点回帰」が秀逸でしたね。

ご関心のある方は、是非同紙をご購読頂きたいが、横編みニットの有力企画会社の1社であるグレースインターナショナルさんが現在のアパレル生産の状況(中国企業との関係)を極めてシビアに見ておられることに、同様の業務に従事しておられる商社や企画会社、OEM工場の方々は強く共感されたのではないかと思う。

今のアパレル業界は、若手の人材不足に悩む小売業と、中国のコストアップに悩む製造業という、業界の末端の弱い部分から環境の変化の影響を大きく受けて、ひたひたと従来型のビジネスモデルでは存続が難しい状況になりつつある。

これからの動きは、体力勝負に勝てる大手と、人の行く裏山に道ありで、隙間を見つけ活路を見出して生き残っていく中小の生き様がくっきりと分かれていくのではないかと私は思っているが、中堅企業さんの身の振り方というのが実は一番難しいところなんだろうね。

ただ、それはあくまでも経営サイドの問題であって、実は35歳以下くらいの若い業界人の方は、業界全体の人材は不足感が強く今後も求人は多いだろうから、あまり身の振り方を心配されることはないという気がします。経営者向けに書かれている業界紙の記事を読んで、必要以上の不安を抱くことはないと思う。

自分の専門分野の実力をしっかり身につけて、良い会社に転職すれば良いのだから。良い会社イコール大企業、ではありませんよ。B2Bであれ、B2Cであれ、クライアント、お客様に支持されているのが、良い会社だと私は思います。

これから恐らく、良い会社と悪い会社の業績の差は明瞭に開いてくると思うので、見極めも簡単になってくるのではないだろうか。

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2007年5月19日 (土)

インターテキスタイル上海07ージャパンパビリオン出品者の募集を開始ー(H19.5.19繊研新聞)

(今日は1つ下にもエントリをアップしておりますので、そちらもご覧下さい)。

今年10月29日から11月1日までの間、上海で開かれるテキスタイルの国際見本市「インターテキスタイル上海」の中に、JETROが設ける「ジャパンパビリオン」の出展社募集が始まった、という記事なのだが・・・。

目を惹いたのは、昨年一旦大企業を補助金の対象外にしていたのを、今年からまた対象に戻した、というもの。

思ったのですが、「大企業には補助金は出さないが、ジャパンパビリオンのメンバーには加える」といったことは出来ないのか、ということ。

少子高齢化で、産業振興、国際化支援等の財源もこれから益々不足してくると思うのだが、行政は過去の先例に囚われず柔軟な発想で施策を打ち出していくことが必要なのではないかという気がします(と、ここに書いてる立場じゃないかもしれないんですが・・・笑)。

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2007年4月17日 (火)

鈴倉インダストリー 民事再生法を申請ー「従来取引を続ける」(帝人)ー(H19.4.16日本繊維新聞他)

悪いニュースについてはなるべくこのブログで実名入りでは取り上げないつもりなのだが、あまりにもショックが大きかったので・・・。

鈴倉インダストリーさんと言えば、私がまだ現役の業界紙記者だったころは、新潟・栃尾産地の名門、一貫生産モデルで自立した織物メーカーとしてその名を世間にとどろかせていた。その企業さんが、民事再生法を申請するとは・・・。

今日付けの日本繊維新聞(ニッセン)さん、繊研新聞さんによると、取引先も支援の姿勢を表明しておられるようだし、ニッセンさんの方には、尾州のいわなかさん、西脇の丸萬商店さんと共同開催している「プレミアム・ジャパン・クラブ」や三菱レイヨンさんの展示会には予定通り出展されるもようとの報道もあった。再生に向けてこれからの頑張りに期待したいと思う。

辛いことだが、日本国内で婦人服地でご飯を食べていこうと思ったら、超高級品、ミドルアッパークラスの価格帯を家族経営+αに近い小規模な体制で運営するのでなければ、採算的に合わない、ということなのかもしれない。

前にも書いたことがあるが、確か2003年頃だったか、福井県繊維協会さんが「産業用資材に針路を取れ」という声明を出しておられたのは、今となっては本当に正解だったな、という気がする。

このブログには敢えて書いていない、というか、辛すぎてとても書けなかったのだが、身の回りの有力な川中繊維製造事業者の方が、とことんまで踏ん張って、それでも踏ん張りきれずついに力尽きる・・・といったことは、好景気なはずの今もぽろっ、ぽろっと起きている。

歴史の古い企業さんは昔蓄えた個人資産があるので、それを担保にしたり切り売りしながら頑張ろうとするのだが、それもいつまでもは続かない、ということなのだ。

商品力に対する業界内の評価と、財務の健全性というのは、全く比例しない。むしろ、前者の評価が経営者のシビアな判断を鈍らせてしまう、ということもある。

社員さんの雇用のこともあるし、こういう問題、本当に安易なことは決して申し上げられないな、と思うのだが・・・。

経営者の皆様には、決して一人で悩まず、商工会議所さんなど信頼出来る第三者の客観的な意見を聞いて見られることをお勧めしたいと思います。

付記:4月17日(火)にリンク致しましたブログ『テキスタイルマニア』の本件に関する記述に事実誤認があり、エントリが削除されましたので、本ブログからのリンクも削除させて頂きました(平成19年4月22日)。

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2007年4月 3日 (火)

12年に売上高1000億円ーザ・パック、中国販売も本格化ー(H19.4.2繊研新聞)

今朝の繊研新聞さんで、懐かしい社名に出くわした。

昔、児島(岡山県倉敷市)の産地を原付や自転車に乗って取材で回っていたのだが、行き帰りに毎日、ザ・パックさんの岡山支社の前を通っていたからだ。

児島は全国でも有数の、アパレルメーカー、それも、本当の意味でものづくりを行っている企業さんが集積している地域だ。学生服を筆頭に、商品を包むパッケージが販売戦略上非常に重要な意味を持つことは言うまでもなく、支社が置かれているのも当然のことだと私は思っていた。

前の会社(日本繊維新聞)の上司からは、常々、「ザ・パックさんは隠れたる大企業さんだからね」と言い聞かされていたが・・・「前期のグループ売り上げが800億円を超えた。(中略)12年には1000億円の売り上げを目指す」(平成19年4月2日付け繊研新聞より引用)とは・・・いやはや、順調に事業を伸長なさっておられる由、何よりですね。

アメリカに続いて、これから中国にも本腰を入れられるとか。同社のマーケティング力は、これからブランドイメージを確立し売り上げを伸ばしたいと思っている彼の国のアパレルや専門店さんにも、きっと支持されるのではないだろうか。

ほんと、小さなデザイナーさんにとっては、浅草橋で出来合いの紙バックを買ってくる段階を脱して、オリジナルのロゴ入りの紙バックをまず作りたい、というのは、夢なんですよね。

ファッション業界そのものではなく、業界を側面から支えるいわゆるサポーティング・インダストリーと呼ばれる業種の中には、このザ・パックさんやYKKさん、島精機さんなどのように、一人勝ちのガリバーとなりグローバルに戦う力を身に付けた企業さんが結構ある。

「企業」としての仕組みをしっかりと確立したこれらの業種から、ファッション業界が逆に学ばせて頂くところは、多々あるような気が致しますね。

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2007年3月 8日 (木)

兼松繊維、リー&フォン傘下に(H19.3.8繊研新聞他)

株式の55%をリー&フォン社に譲渡した、すなわち、マジョリティを先方に渡したということが意味するものは・・・?

製造メーカーでは山越さんの事例もあるけれど、今後は商社さんも含めて、日本の繊維企業がアジアの企業の傘下に入るというケースは、漸次出て来ると私は思います。

ちなみに、リー&フォン社とは、どのような企業さんなのだろうか。ご参考までに、兼松(株)さんのホームページに詳しいプロフィールが出ていたので、ご紹介しておこう。

今、日本語で検索をかけてみたのだが、ほとんど情報はひっかかってこなかった。この企業さん、リー&フンと表記されることも多いように思うので、そちらで検索してみてもやっぱり同じ。そりゃそうですよね、わが業界以外の人はあまり関心を持たないだろうから。

つづりがわからないと、英文での検索もかけようがないですからね。「Li and Fung」と標記するようですよ。

もう1丁。こちらがLi and Fung社の公式ホームページ。「利豊」って、名前からして会社が豊み栄えそうな感じで福福しくてすごく良いですよね。トップページのFlashの画像も商社っぽい雰囲気です。

最近発表されたトミー・ヒルフィガー向けのグローバルソーシング(海外生産による商品調達の請け負い)の権利を獲得したというニュースリリースも掲載されております。

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2006年11月21日 (火)

「毛織物価格の引き上げを」-尾州産地有力10社が要請ー(H18.11.20センイ・ジヤァナル)

11月18日(土)付けのポッドキャスト「新たな局面迎えた国内繊維製造業」の中でも触れた話題に関連して・・・。

1週間前に記者発表されたニュースなんだけど今日付けのセンイ・ジヤァナルさんに掲載されていたから、おさらいの意味でご紹介しておこう。

こちらの中部経済新聞さんのサイトにある通り、尾州の複数の企業が一緒になって生地値の値上げを要請した、ということは、異例のことである。私が業界に入ってからも全く記憶にはないことだ。

センイ・ジヤァナルさんに列挙してあった値上げ要請の理由の中には、ポッドキャストの中で私が挙げた点以外(染色・整理の加工賃の高騰、円安=但しこれは輸出には有利に働く、重油の値上がり)に、原料・糸値の高騰、ということも指摘されていた。

詳しくは同紙を是非お読み頂きたいが、旱魃による豪州羊毛価格の上昇、ウールの糸値の上昇、中国の桑畑減少によるシルクの値上がりと、本当に泣きっ面に蜂、というか、悪条件が重なり合っているとしか思えない状況ですね。

センイ・ジヤァナルさんの紙面を見ると、もちろん産地の企業さんは一方的に値上げを訴えている訳でなく、「新しい世界に通じる商品の開発、ジャパンクオリティー=品質の向上、納期短縮の努力などの産地改革に取り組んでいく」(平成18年11月20日付けセンイ・ジヤァナルより引用)と自己改革の意思についても明確に述べている。

ビジネスだからどうしても売り手より買い手の方がネゴシエーションでは有利になる場合が多いのだが、状況が逼迫の度を強めているだけに、産地サイドの意向が通るケースも増えてくるのではなかろうか。

アパログにもブログ連載中↓↓↓

楽天さんの功績と長所をきちっと評価すべきでは?」

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2006年11月10日 (金)

カシミアの価格高騰をチャンスに変えよう

今日は素材展2つをハシゴしてきたのだが、産地の企業さんが口を揃えて語っておられたのが、カシミアの価格高騰だ。

ウール関連の話題を非常に詳しく取り上げているザ・ウールマークカンパニーさんのサイト(同サイトは記事の無断引用、転載を禁じておられるから、直接リンク先をご覧下さい)にも書かれているような事態が今年の状況なのだが、来年は今年より更に2割くらい原料の値段が上がる見込みのようである。

その最大の理由は、カシミア山羊がそこら中の草を食べ尽くしてしまい、カシミア山羊を飼っている地域が砂漠化してしまう、というところにあるらしい(この話題、まださほどネット上では取り沙汰されていないが、さすがである。紳士服の有力専門店さん・ジャック野澤屋さんのサイト「Savierowclubー余話バックナンバー」が取り上げておられた。バックナンバーのNo.191をご覧下さい)。カシミア山羊飼育の世界最大の産地は中国の新疆ウイグル地区なのだが、中国の政府筋は砂漠化は好ましくないと思っているようで、今後はもう、カシミア山羊の頭数が増えるということはないようなのだ。

需要と供給の関係で、そうなると当然価格は上がって当たり前なのだが、日本のアパレル業界は、現状ではまだ、商品の店頭上代はなるべく現状維持で頑張ろう、としている状況のようだ。

しかし、無駄なコストを省くのならともかく、混ぜ物をするなどそのために原料の品質を落として質感を悪くするくらいなら、「高級品」ということで値上げの理解をお客様にも求めていった方が良いのではないか、私はそう思うんですけどね。最近また、「ルイ・ヴィトン」が為替にスライドさせて上代を上げたけれど、合理的な理由があればお客様は意外と納得されるものなのだ。

逆に、「こういう厳しい状況なので、商品調達の方法や生産の方法を工夫し、頑張って値ごろ感を出しました」という打ち出し方もある。その良い例が、大丸さんのホームページに掲載されている「大丸バリュープライス」である(残念ながら、ネット通販はやっておられないようだが)。

今はしかし、ヨーロッパのブランドのインポートの場合は、原料高に加えて為替の問題があって、更に価格は割高になっている。だから、ヨーロッパからの製品輸入にとっては不利で、メード・イン・ジャパンの方がまだ条件面は良いと言えるのではないか。

今日の展示会でも、決して「プリングル」やら「ルシアン・ペラフィネ」やらのインポートのカシミアのニットに、品質では負けていないと思われる商品が出品されていた。原料高に負けるな、日本のニッターさん達!

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著作権保護期間延長問題を考える国民会議、発足

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2006年11月 8日 (水)

中国合弁が本格生産ーリネアピウ・グループ、伊のデザイン・技術力保証ー(H18.11.7繊研新聞)

忙しいので最近新聞や雑誌もかなり読み飛ばしているかもしれないのだが、どうも先週東京で開かれた「イタリアン・ヤーン・ランデブー」関連の報道がどの新聞にも掲載されていないような気がする。

ネットで検索しても、私が昔書いたエントリくらいしか出てこないんですよね(笑)。今回、出展社数も9社しかなく、イタリアで開かれているヤーン展「ピッティ・フィラーティ」同様、ちょっと元気がなくなってきている様子なのが非常に残念なのだが・・・。

それと裏腹の現象として、ニットのヤーンの生産は今や完全に中国へ、という動きが見られる。今日付けの繊研新聞さんに掲載されていたリネア・ピウグループのニュースも、その典型的な事例だ。

この記事に登場しているトップライン寧波テキスタイルという会社は、リネアピウだけでなく、フェニックスグループとコンサイニーという会社の合弁だとのこと。糸から縫製(繊研さんの記事の「縫製」は「編み立て」の誤りかも?)までの一貫生産が出来る大型の工場で、当然、まずは内販よりは欧米や日本向けを狙っているようだ。

記事を見て「おっ」と思ったのは、「価格は1キロあたり20~25ドルを中心としつつも、将来的には25~30ドル前後の商品へのシフトを予定している」と書いてあったこと。中~高級品の生産を行い、完全に「メード・バイ・イタリー」の体制を確立しようという目論見だろう。

6月にも書いたと思うけど、センイ・ジヤァナルさん主催のIKAEが開催された際に、上海のスピンエキスポの日本サイドのエージェントの方がおっしゃっておられたのだが、回を重ねるごとに来場者が増え、「良い素材を見せる展示会」だというイメージも定着しているとのことなのだが、ニッターだけでなく、紡績も中国に生産拠点が移管すると、益々その流れに拍車がかかるだろう。

益々のユーロ高も後押しして、イタリアという産地は完全に空洞化して、アメリカや日本、フランスなどの先進国同様の厳しい状況に置かれているのだが、有力企業は日本同様、本社はイタリア、生産は海外、という体制に切り替え、生き残りをかけた懸命の努力を重ねているのである。

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礼儀正しく、簡単オプトアウトが魅力ーユナイテッド・アローズのケータイメールー

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2006年10月25日 (水)

ケルンメッセ TPC展急きょ中止(H18.10.18日本繊維新聞)

毎日さくらのブログをご訪問して下さる皆様、今日は一つ下のミラノのストリート・ライブならぬ、ストリート・ポッドキャストも聞いてチョ(^^)/

といいつつ、日本を離れていた間のニュースで気になったものをもう1つ。

8月18日付けの拙ブログでご紹介していた、この10月19日から21日まで上海で初開催の予定だった、ケルンのIMB(主催者はケルンメッセ、国際縫製機器専門見本市)の中国版、「TPC2006テキスタイル・プロセッシング・チャイナ」が急遽中止になった、というニュースだ。

日本繊維新聞さんには、「ケルンメッセによると、『中国の繊維産業は市場の後退に直面しており、新しい展示会を開催する時期としては適切でないと判断された」ためという」という記述が見られる。

昨日ご紹介した、島精機さんの動きなんかもまさにそうで、製造メーカーを顧客に持つ繊維機械の業界は生産の分野の変化の兆しには非常に敏感だ。

中国での生産は、成長期、安定期を過ぎて、あまりにも早く「次」の段階に入りつつあるのかもしれない。輸出を制限されている、というのが工場の経営にこたえているのではないかと思うし、数字的な面以上に、経営者のマインドに悪影響=意欲の低下、を与えているのではないかというのが怖い。

国慶節や旧正月の後に聞こえてくる「オペレーター(縫い子さん)が帰ってこない」という声は、年々大きくなっている。もはや、今の中国は安価な労働力が無限に手に入る地域ではなくなり、継続的に労働者を確保することが困難な状況なのだ。もちろん、広い国土なので地域差もあるし、個々の工場のオーナーの考え方の差、というのもあるとは思うが・・・。

日本がたどってきた道を、今の中国は猛スピードで追いかけている・・・そんな風に私の目には見える。これは、「創・工・商」のうち、一番泥臭く利益が出にくい「工」の部分を発展途上国に肩代わりしてもらおう、というビジネスモデルの臨界点が近づいてきている、ということなのだ。クイックレスポンスをあきらめ、遠隔地で生産サイクルをもっとゆっくり回す、というのなら話は別だが。

この問題を解決するのは、日本であろうが中国であろうが、他産業へシフトしなくても、繊維の製造業に従事することに希望とやりがいを見出せるロールモデルを、私達が考え出すしかない。経営者も社員も、幸せになれる道を。

幾つかのパターンがあると思うが、そのうち最も有力な方法論は、「工場は工場でありながらアパレルにもなり、自立する」ということだ。中国の工場オーナーも、懸命な経営者ならばそのことに既に気づいているはずだろうが、今、日本で自立に苦しんでいる私達は、そのことを声を大にしてまだ気づいていない中国の人達に語るべきではないか。アパレルビジネスの難しさと醍醐味、そこで上がる利益の大きさ、更には自国の衣料品を自国内で企画・生産・販売することの重要性、ファッション感度の高い商品を欧米からの輸入に頼らず自国で作ることで、国民全体の感性や文化のレベルも向上していく、ということを。

つまりは、ファッション産業が充実している国での生活は、金銭的価値だけでは表せない内面の豊かさ、人間の個性と多様性がお互いに認め合える素晴らしいものである、ということである。その根幹を支えるのは、企画や販売や広告宣伝などソフト的な面あけではない。モノそのものを生み出す製造業とそれらのソフトが一体となって初めて実現されるということなのである。

しかし、そういうきれい事が通用しない程、「お金」の問題というのは大きい。儲からない仕事は、たとえ好きでも生活のために続けられない、というのが、大半の人間の判断だと思うからだ。

考えれば考えるほど、今後の日本のファッション産業にとっては、生産の面が最大のネックとなって立ちはだかってくるだろう、というのが、私の暗い予感である。

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2006年10月24日 (火)

米ノヴァ・ニット全株取得ー島精機 世界へホールガーメントー(H18.10.21繊研新聞他)

イタリアの話題の途中に差し込む形のエントリになっちゃうけれど、私が渡欧している間にリリースされたニュースの中で一番気になったのが掲題のものだ(日本繊維新聞さんのサイトにもアップされております)。

最近はアパレルのワールドさんが製造メーカーを傘下に収めるような動きもなさっておられるが、繊維機械のメーカーが製品をOEM生産する工場を持つ、ということは、それとは又数段オペレーションが難しい、かなり思い切った戦略である。

但し、島精機さんの場合、ニットの編み機では世界NO1のシェアを持つガリバー企業だ。中でも、同社独自のホールガーメント(無縫製)のニットについては、自社内のデザインセンターにニッターさんや生産管理会社さん、企画会社さん、アパレルさん等の企画担当者を集めて編物設計の方法を伝授しながら普及させていった経緯があり、実際のところ、スフトに関するノウハウも島精機自身が一番蓄積している、と言っても過言ではない。

他産業でも機械メーカーが製品まで手がける、という例はない訳ではないので、是非島さんには頑張ってもらいたいのだが・・・。

気になっている点が2点ある。

1つは、このニュースと同時に発表された決算予想の下方修正。ヨーロッパ、特にイタリアでの編み機の販売が、中国勢との競争で苦労しているニッターさんの設備投資意欲の低下により苦戦しているとのことで、その一方で、アジアでは売れ行きは好調、といいながら、欧州での苦戦をカバーするまでに至っていない、という状況のようだ。

中国のニッターさんの事情、つまりは、貿易摩擦で欧米への輸出数量に割当制が取られている、という問題が応えているのではないか、とも推察できる。企業さんによっては、まだまだ手横で人海戦術で行こう、というところもあるのだろうし、思ったほど高いマシンがバンバン売れるとはいかないのだと思う。また、欧米や日本のクライアントさんの手前もあり、そちら向けと全く同じ対応を取ってしまうとまずいというところもあるだろうから、現在は難しい局面なんでしょうね。

リリースによると、欧州対策として代理店をはずして直販に切り替えるそうで、利益率の点でも、戦略の徹底という点でも、うまくいけばプラスの方向に持っていける方法だと私は思います。

ただ、もう1つ、ネット上でNova Knitsを検索していて非常に気になるテキストを発見してしまった。2006年3月にこのような文章がアップされているのだ。

アメリカの工場さんというのは、日本と全く同じで、先進国ならではのコスト高に悩んでいる。かといって、泣く泣く廃業する日本の工場さんや、仕方なく辞めていっている労働者の人達のように、おとなしく泣き寝入りはしない人達が存在する、という現実ーー。

ホールガーメントの機械をうまくオペレーションすれば、現場の生産ラインの人員は旧式の機械よりは少なくてすむ、という理屈は容易に考えられる。だが、それは、現場で働く人達が納得の上配置転換や場合によっては職場を変わるということを受け入れて初めて成り立つ図式だ。

思わぬカントリーリスクがなければよいのだが・・・。だが、これは、一人島精機さんのみが悩むべき問題などではなく、そもそも、「大人しい日本人なら何人辞めてもらっても構わない。ニッターが何社泣こうが関係ない」という日本の繊維業界の常識の方が間違っていると考えた方が良いのかも。日本のように国土が狭く、他産業の強い国においては、労働運動などは必要ではなく、雇用の安定のない業界からは、労働者は一目散に去っていくのみなのである。

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2006年7月18日 (火)

来場者は減少傾向ーピッティ・フィラーティ07~08秋冬展(H18.7.18繊研新聞)

先週はなまけて6日も自宅のパソコンを開かなかったのだが、今週から元のペースで頑張りますよん(^^)/

ということで、今日は私のブログの読者の多くが関心を持っておられるニットの話題を。今日付けの繊研新聞さんに、今月5日から7日までフィレンツェで開かれたニットのヤーン展、ピッティ・フィラッティの総来場者数が7,161人で、前年同期比7.9%減だった、という記事が掲載されていた。

ヤーン展の場合、春夏シーズン向けと秋冬シーズン向けでは、後者の方が来場者数は多くなるのが通例なので、前回比ではなく前年同期比で比較しているのだが、それにしても、凋落傾向に歯止めがかからないですね。

2005年の繊維クォーター撤廃は、イタリアの繊維産業の優位性を根底から覆す程インパクトが大きかった、ということなのだろうか。日本がお手本にしてきたイタリアが、ここにきてまるで日本の後を追っているかのようだ。

しかし、何度か私がイタリアからレポートしてきたように、同国の有力なヤーンメーカーさんは、プロモーションをニットの2次製品の産地にシフトしている。ボリュームゾーンのヤーンの生産拠点も移転、というケースも多い。

アジアの場合、中国がその中心となっている。この間、センイ・ジヤァナルさん主催のIKAE展で上海のスピン・エキスポのエージェントの方とお話しする機会があったが、ピッティ・フィラッティとは逆に、こちらの展示会は回を重ねるごとに来場者も出展者も増え、拡大基調にあるそうだ。

スピン・エキスポさんはトレンドの発信、という点では、まだまだなのかもしれないが、高級糸に絞って展示しておられるようなので、商談目的のみならこちらでもう十分という感じになりつつあるのかもしれない。

実は夜残業している時に、ピッティ・フィラッティの主催者さんからe-mailが届いた。プレス登録の再確認を求めるメールで、一人でも来場者を増やしたいというご努力をなさっておられるのだろう。自分自身も展示会を主催しているので、逆の立場もわかるだけに何とも言えない気持ちになった。

前にも書いた通り、今年は業務の都合で2月にイタリア、というのは物理的に不可能なのだ。ピッティのレポートはジャーナリストやコンサルタントを本業としておられる方々に委ねたいと思うが、主催者さんのために、この場で今一度PRさせて頂こう。

フィラッティだけでなく、メンズのピッティ・ウォモや子供服のピッティ・ビンボなどの情報も含めて、公式ホームページにはかなり詳しい情報が掲載されている。マスコミ向けのニュース・リリースもあるので、英語が苦手な方でもYahooの翻訳のページを使えばおおよその意味はつかめるだろう。

半年前にも旧ブログの「両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in fashion)」でご紹介したが、会場内の様子が動画と写真でアップされている。素材のテクスチャーや細かいところまで把握するのは無理だが、雰囲気は感じて頂けると思いますよ。

私は秋と冬にしかイタリアには行ったことがないんですが、さすがに夏真っ盛り、暑いんでしょうね。動画を見る限りでは来場者のノースリーブ着用率が高かったです。

アパログにもブログ連載中↓↓↓

東京ガールズコレクション(TGC)でドコモ・DCMXの新ワザ、出るか(笑)!?」

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