IC CARD WORLD 2008 & リテールテック・ジャパン2008
皆さ~ん、昨夜は力尽きてパソコンの前で眠ってしまってごめんなさい。お待たせ致しました。IC CARD WORLD 2008と、リテールテック・ジャパン2008のレポートです。
この2つの展示会では、流通業をとりまく最新の技術的なトレンドが紹介されており、特にここで「参考出展」されているものが1、2年後には市場に大きく出回るという現象が見られるため、今すぐ自社に導入するシステムや機器を探すという目的のためだけでなく、業界の今後の流れを読む上でも、必見の展示会なのではないかと私は思っている。
数年前からIC CARD WORLDの方で紹介されていた、「おサイフケータイ」だが、現在既に市場に出回っているケータイの半分以上に搭載される状態になっている。Edy、モバイルSuica、ナナコなど、皆さん当たり前のように利用する時代になってきて、「NEXT」は何、ということを皆さんもお考えになっておられると思うのだが・・・。
今回の目玉は、ソニーさんが参考出展されていた2つのデモだったように私は思った。
デジタル家電向けFeliCa組み込みソフトウェアを活用し開発したモデルで、
1つは、TVにFeliCaポート(コンビニに置いてあるFeliCaを読ませる端末と同じようなものである)を連結し、番組の放映中、ケータイをかざすと、番組と連動したサイトが立ち上がってきたりクーポンがダウンロード出来たりするというもの。
現状では、番組を見ながら自分のケータイで各TV局さんのサイトを探してそこから更に番組のサイトを探すなど、面倒なプロセスを経ているが、それが一瞬のうちに可能となる。なかなか便利なサービスだ。
もう1つは、カーナビにBluetooth搭載のケータイをかざすだけで、ケータイの中に入っている着うたフルをカーナビにコピー出来るというもの。
これは、すごく便利で楽しいサービスだとさくらは思いましたね!4人でドライブに行くときにそれぞれのケータイの中の着うたを読み込ませて順番を変えて「今日のBGM」を作ったりすることが出来るので。
気になる音質の点について、スタッフの方にご質問したのだが、「鋭い質問ですね~。今、改良を進めています」とのこと。個人利用なので、もちろん著作権の点でも問題はない。
これらのサービス、恐らく近い将来実現すると思うのだが、これからのトレンドは、「ケータイとIT家電の連動」なんだろうなということを感じさせてくれる展示であった。
同じFeliCaや、ICカードの話題だが、この中に蓄積されている鉄道利用の履歴をそのまま交通費の精算に利用できたら便利だろうな、とお感じになっておられる方は多いのではないかと思う。
札幌のオリーブ情報処理サービスさんという企業さんは、「パソリ」というICカード読取装置さええればクライアントのPCでデータを読み取って精算してくれるという便利なシステムを開発なさっておられた。
これは非常に便利ですね。かなりの時間の節約になる。私も毎月手帳を見ながら行き先を思い出して結構な時間をかけて書類を書いているので、このサービスを使ってみたいなと思うくらいですね。
金額計算までは無理だが、鉄道を利用した移動の履歴をみるだけなら、FeliCaポート搭載のパソコンを持っていれば可能だ。Edyやナナコなどでいつ何円使ったという履歴も見て、CSVでエクセルのファイルに書き出すことが出来る。(但し、最新20件の履歴までだが)。
今や、FeliCa搭載のパソコンはかなり世に出回っていて、2008年1月時点で類型500万台以上になっているらしい。
「電子マネーを使うとついついお金の使いすぎになりそう」ということを心配しておられる方もいらっしゃるのではないかと思うが、世の中はよくしたもので、こづかい帳が簡単につけられるサービスも同時に開発されてしまった、というわけだ。
そうやって常に自分の頭の中を整理さえしておけば、使いすぎの心配はなくなる。かしこい消費者の皆さん、安心して電子マネーを使いましょう(なんて、別にFeliCaの回し者ではないんですが・・・笑)。
リテールテック・ジャパンの方で目立ったのは、「デシタルサイネージ」、電子看板である。静止画像では、ある企業さんのブースに大丸東京店さんで実際使われている電子看板が展示されていた。
シャープさん、ソニーさん、日立さんなど、薄型液晶TVを製造販売なさっておられるところは、こぞって大きなブース内に自慢のディスプレイを飾っておられた。
シャープさんのブースで伺ったのだが、業務用は、家庭用のTVよりも長時間の使用に耐えるように作っておられるとのことである。小売りの現場にいる者の立場から言うと、取り付けはどうすればよいのか、掃除は簡単なのかというのが気になるところだが、「取り付けは新店がオープンする際に施工業者に指示してもらってもよいが、当社の方でも行います」とのこと。ディスプレイは水拭きしても大丈夫だそうだ。
ちなみに「工場は、亀山です」(やはり~)とのお話だった。
デジタルサイネージに関しては、コンテンツを制作してくれる企業さんの出展もあり、ネット上でも動画投稿・動画閲覧はすっかり定着してきているが、リアルの店頭でも今後の注目株になってくるのだろうなという気がした。
その他、気になったサービスを2つほど。
その1:成人は2008年3月より順次、「taspo」カードを持っていかないとたばこが買えないという規制が敷かれつつあるが、「taspo」を持っていなくても「顔認証」機能で成人か子供かを識別できる新型たばこ自販機を、(株)フジタカさんが出展されていた。
「顔認証」機能は、ネット接続ではなく、個々の自販機に内臓されているもので、ご担当者の方曰く、「お化粧をしているかどうかは判定の基準には入っていません。しわの多さなどが基準になっています」とのこと。顔認証だけでは判別が難しい場合は、免許証を出せば購入が可能で、それでも駄目な場合は、自販機を置いておられるお店の方が成人確認する・・・という格好になっている。
これは、ふりのお客様が多い立地ではかなり売れるんじゃないかという気がした。「顔認識」の技術を活用した好例だろう。皆さん面白がって、かなり試しておられましたね。
その2:3D画像と音と香りを組み合わせたファッションショーの例。
これは、IBMさんが実際に昨秋、ミラノのリナシェンテ百貨店で実施したものらしい。3D画像は、メガネをかけて楽しむ仕組みになっている。
この種の仕掛けは、イタリアのように正直IT先進国とは言いがたい国ではウケがいいだろうが、日本でやる場合にはもう少し完成度の高いビジュアルや音楽を使用しないと遊園地で子供向けにやっているチャチなイベントのようになってしまう可能性もあるのではないかと思ったが・・・。
きちんと作りこめば、それなりに面白いものが出来る筈。IBM様には、是非東コレのスポンサーにでもなって頂き特別なショーを開催して頂きたいものであると思った次第である。
ということで、小売り店頭で、より五感に訴える形での販促物、コンテンツの利用が可能となる時代になってきた訳で、そうなるとそれらを生み出せるレベルか否かということで、店舗間の格差が拡大することも考えられる。
ハイエンドな客層を狙っているお店さん、また、プライスは値ごろでも店としての感度は高めなところでイメージ訴求しているお店さんは、この流れについていく必要があるように私は思いましたね。
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